ベンチャーはいつIPOを目指すべきなのか!?インターワークスCFOがIPO準備の失敗と成功から学んだこと
IPO市場が活況だ。gumiショックなどの影響もあり上場承認のハードルは上がりつつも、アベノミクスによる好景気や株高の影響から、IPOを目指す企業がここ数年で最も多くなっている。
しかし、ベンチャー企業はいつIPOを目指すべきなのだろうか?
上場時に高い時価総額を実現するためには、株式市場が活況であることは重要であるため、マーケット環境が良い時期にIPOを目指すことには一理あるだろう。
そのため、現在のような好景気時にIPOを目指す企業が増えるのも納得である。しかし、IPO準備には数年の時間がかかるため、その間に景気が後退するリスクも十分にある。
今回取り上げる
インターワークス
もそんな苦い経験をした企業のひとつだ。
同社は、去る2014年12月に東証マザーズへ上場した人材系企業であるが、かつてIPOを目前にしながら頓挫した経験を持つ。
インターワークスはそこで何を学び、そして、どのように今回のIPOへと返り咲いたのであろうか。
同社の取締役CFOである大平氏とそれをサポートしたBridgeグループの公認会計士にIPO準備におけるかつての失敗と今回の成功について話を聞いた。
空前の好景気!2008年のIPOはすぐ目の前だった…
株式会社インターワークスは、1991年に設立され、現在、工場ワークス、お仕事マイサーチ、アパレルワークスなどの「求人サイトの運営」に加え、「人材紹介」「採用支援」の合計3つの人材事業を展開する総合人材サービス企業だ。2014年12月に東証マザーズへの上場を果たした
設立から23年目のIPOということでそこまでには悲喜こもごもの歴史があるのはもちろんだが、このインターワークスの上場ストーリーを語るに当たっては、2008年のエピソードは欠かすことができないであろう。
当時、インターワークスは2007年より大和証券を主幹事としたIPO準備を進め、2008年8月には審査部によるひと通りの審査も終え、10月に予定する東証の審査へと向けて、指摘された課題の解決に取り組んでいる最中であった。
ところが、2008年9月、米国のリーマン・ブラザーズ証券の破綻を引き金に未曾有の大不況が訪れる。
人材業界全体がリーマンショックの直撃を受け、同社の業績も急降下、わずか半年後の2009年3月には売上が半分にまで落ち込み、78名いた従業員も37名まで減少する。
設立17年目にしてやっとの想いで掴みかけたIPOは脆くも同社の手から滑り落ちていった。
「こんな状況ではとてもIPOどころではない…」
同社の経営陣は忸怩たる思いの中、IPOを無期限に延期することを決定する。
景気に揺らぎにくい事業モデルに…もう一度、会社を作り直す
「そこからは”事業をどのように立て直すか”からスタートしました」とCFOの大平氏は語ってくれた。
平成2年 KPMGセンチュリー監査法人 入社 平成9年
株式会社アイ・ピー・エス 入社 平成16年
株式会社アイ・ピー・エス 取締役 平成18年
株式会社インターワークス 入社 取締役経営本部長 平成26年
同社 取締役経営管理本部長(現任)
当時のインターワークスの事業は、求人サイトの運営を行う「求人メディア事業」のひとつであったため、同社の経営陣は単一事業では景気の変動に対して脆弱性が高いと痛感したという。
そのため、事業を多角化し、安定的な事業構造を作ることに注力していくことを決断する。
主力事業の回復とM&Aによる事業の強化・組織再編
事業を多角化・強化するとはいえ、その道程は地道なものだった。同社の営業部門はまずは既存の求人メディアを立て直そうとコツコツと自社の求人サイトの販売を継続していく。その結果、2010年頃になると、事業に少し落ち着きが見られるようになった。
求人メディア事業は、落ち込みがひどかった分、回復のスピードも早く、工場で働く人材を対象とした求人サイト「工場ワークス」への求人依頼を筆頭に徐々に依頼が増えてきたのだった。
その後も、経営陣・従業員が一体となった努力の甲斐もあり、工場ワークス主導による売上回復に伴い、2011年には同社の業績は上場を目指していた2008年時の水準に近いところまで回復していった。
しかし、同社はここで油断はしなかった。
「ここでIPOを目指しても、前回の二の舞になりかねない。」
そこで同社の経営陣は、それまで、ほぼ「求人メディア」1本だけであった事業を強化するために2件のM&Aを実行する。
- ・2012年3月、人材紹介会社「アイ・アム」の買収
- ・2013年7月、採用支援会社「日本データビジョン」の買収
そして、買収後の組織再編を経て、親会社である株式会社インターワークスにて「求人メディア」と「人材紹介」の2事業を、子会社である日本データビジョンにて「採用支援事業」を行う体制となり、インターワークスは、
- ・求人メディア
- ・人材紹介
- ・採用支援
の3事業体制へと移行することとなる。
これにより同社は、月額掲載料で課金する求人メディア、成功報酬で課金する人材紹介、中長期の採用委託契約で課金する採用支援の3つの収益モデルを有することとなり、事業基盤の安定性を高めることに成功する。
「IPO準備の再開は常に意識していた」
一度、IPOの計画が頓挫してしまった企業は再度のIPO準備をどう考えるのであろうか?
「IPOができるかできないかは別にして、あくまで“意識していた”レベルですが…」と断りつつ、「先述のM&Aや組織再編も含め、IPO準備の再開は常に意識して事業を進めていた」とCFOの大平氏は語る。
そして、日本データビジョンを買収した2013年、IPOへの再びのチャレンジが可能ではないかと具体的に考え始めたという。日本データビジョンの買収によって企業規模もそれなりとなり、利益も安定的に見えてきたことが理由であった。
苦節4年半、ついにIPO準備再開 -かつてのIPO準備ノウハウは通用したのか!?
2013年11月、同社は大和証券との主幹事契約を再度締結し、2度目のIPO準備をスタートした。
そして、同年12月からプロジェクトをスタートし、丸1年後の2014年12月に上場することとなるのだが、同社の2回目のIPO準備はどのように行われたのだろうか?
IPO準備はメンタルとの勝負でもある
同社の2回目のIPO準備は、2013年12月に管理部門6名の体制からスタートし、最終的には10名の体制でIPOを迎えた。
管理部門人員の変遷
- 2013年12月
- CFO、経理担当3名、人事総務担当2名…6名体制
- 2014年4月
- 人事総務部長、法務担当者が入社…8名体制
- 2014年6月
- スタッフ2名が入社…10名体制
この中で前回のIPO準備を経験していたのはCFOの大平氏と経理スタッフ1名の合計2名であった。
また、前回のIPO準備資料の一部はそのまま使うことができたが、M&Aや組織再編によって事業の形態が大きく変わっていたため大部分は再使用することができず、準備作業自体が劇的に楽になるほどではなかったという。
一方、そのまま使える準備書類は多くなかったものの、2回目のIPO準備では「次に何が来るか予想できたことが大きかった」と大平氏は語ってくれた。
同社は、前回のIPO準備の際、証券会社の審査をひと通り受けていたことから、次に何がくるのかを予測しながら今回のIPO準備を進めていくことができた。
「IPOを経験された方ならご存知かと思いますが、IPO準備では、業績や株式の市況だけではなく、準備に関わる人間たちの“メンタルの勝負”という側面も大きいのです。
例えば、証券会社から驚くほどのボリュームの質問がきて、それに必死で回答したと思うと、それと同じ分量の質問がまた来るわけです。そして、再び来たその質問をさらに必死の思いでやっと返した、と思うとまた次の質問が…と、それが何度となく続くわけです。
前回は初めての経験でしたので“まだ終わらないのか…”“このままこれが果てしなく続くんじゃないか…”とメンバーも精神的に大きな負担を感じていましたが、今回は、次に何が来るのかがわかっていましたから、それだけでもIPO準備に関わっているメンバーたちの精神的な負担がまったく違いました。」
IPO準備のポイントは「内部監査」と「開示」だった - IPO実務のポイントは?
早急に自社で内部監査を行える体制作りを!
同社のIPO準備の細部に迫ってみよう。インターワークスのIPO準備においては、「内部監査」「開示」の2つが重点ポイントであったという。
「前回のIPO準備では内部監査に最も苦労し、ギリギリになってしまった」という大平氏は、今回は余裕を持って内部監査体制を構築するために、IPO支援を得意とするコンサルティングファーム、Bridgeグループにサポートを依頼した。
Bridgeグループのミッションは与えられた期限内に内部監査体制を設計・デザインし、インターワークス社のメンバーが運用を行える体制まで持って行くことであった。
Bridgeグループの大庭氏曰く、
『我々のミッションは単なる“業務委託者”ではなく、“会社と苦楽をともにする共同体”として、会社のメンバーとともに一緒に汗をかき、時にリーダーシップを発揮し、またある時には後方支援に回るといった、刻一刻と変化する会社のニーズに合わせた、ある意味“トータルサービス”と言えるものでした。
また、それは、かつて私が監査法人トーマツ(現:有限責任監査法人トーマツ)時代に経験したIPO支援業務での経験を発揮する良い契機となりました。
2004年、公認会計士2次試験合格。有限責任監査法人トーマツ・トータルサービス1部を経て、2011年10月、株式会社Bridge設立し、代表取締役COOに就任。これまで約10年間の実務経験の中で10社以上のIPO支援業務に従事、2014年下半期中に合計5社のIPO支援を実現。
私が監査法人時代、とにかく寝ても覚めても叩き込まれたことは“自分の頭で考え、判断すること”でした。これはもう、右も左も分からない1年目の時から、常に言われ続けた。とにかく先輩や上司からの突込みは、凄まじかった。
上司 「大庭君、なんでそう判断したの?」
大庭 「●●だと考えるからです。」
上司 「へぇ-、なんでそう思うの?」
1つ回答すると「なんで?」という言葉が最低3回は飛んでくる。
とにかく、何を伝えるにも理由を聞かれるわけです。こちらもそれに備えてとにかく多面的に理由を考えるわけです。あーでもない、こーでもないと。当時はかなりハードでしたが、今となってはこの経験は何事にも代えがたい経験ですね。
また監査業務については、会社に対してある一定の距離を置かなければいけないわけです。距離が近いと判断する立場とされる立場の混同が生じるためです。その一方で、「指導・助言業務」という点も認められていて、いわゆるコンサルティング的領域についても限定された範囲ではありますが、認められているわけです。
特にこの「指導・助言業務」というのは、IPO支援会社で特に必要とされる業務で、現状を分析し、課題点を抽出した後、改善策を提案する。こういったスキルは当時とても厳しくチェックされました。我々は“会計のプロ”である以上に“事実認定のプロ”だと、正しい会計処理は、正しい事実認定が必要で、いくら会計基準や知識を知っていたところで、正しい事実認定がなければ、必ず判断を誤るということも耳にタコが出来るくらい指導頂きましたし、このような経験をさせてくれた前職の監査法人には感謝してもしきれません。』
まさに開示の“家庭教師”!どう開示体制を構築したのか
インターワークスのIPO準備を振り返った際、最大の山場は「開示体制の構築だった」とCFOの大平氏は言う。
同社は、内部監査体制も整った2014年6月、Bridgeグループに開示業務の支援も依頼し、サポートを受けることとなった。
実は、それまで比較的順調に進んでいた同社のIPO準備だったが、その時点で証券会社への提出書類の進捗が思わしくないことが判明する。主にインターワークス、主幹事証券、監査法人の3社間でのコミュニケーションの行き違いが一因であったのだが、提出期限は待ってくれない。
その結果、2014年6月に証券会社と話し合いの場を設け、体制の強化に取り組むこととなった。
当時に関して大平氏は「IPOの目標を半年後に控え、限られた時間で強固な開示体制を作れるのか、できなければIPOを後ろ倒しにしなければならないかもしれない…。絶対に失敗できない状況だった。」と語る。
しかし、同社は、次の四半期には見違えるレベルで開示書類を仕上げることとなる。同社が短期で開示体制を効率よく仕上げた背景はどこであったのであろうか?
同社の財務・経理部長である竹井氏は、Bridgeグループのサポートにより、タスクが整理されやるべきことの優先順位を明確にしながら開示業務に取組めたことが大きかったと当時を語る。
平成11年 日本データビジョン株式会社 入社
平成21年 日本データビジョン株式会社 管理部長
平成26年 株式会社インターワークス 財務・経理部長
同社のIPO準備においては、他のIPO準備企業と同様に、経理部の現場にはとても余裕がなかった。特に開示に関しては、経験のないメンバーが中心であったため、証券会社や監査法人から次々と降ってくるミッションにどう対処すればよいかを的確に判断できる人材がいなかったという。
「当時の私達は、開示がどうゆうものかはなんとなく理解はしていても、具体的な論点になると、スピーディーかつ自信を持って対応することはできませんでした。
そこにBridgeの公認会計士の方々に入って頂き、次々と出てくる論点をひとつひとつ噛み砕いて説明してくださり、また、チェックリストを作成し、作業に優先順位をつけてくださるなど業務を先導してくださいました。
オフィスに会計士の方々が常駐してくれていたのですが、まさに“家庭教師”のような感じでわからないところをすぐにアドバイスくださり、厳しい状況ながらもスムーズに作業を進めることができたのです。」と竹井氏は語ってくれた。
同社の支援プロジェクトをマネジメントしたBridgeグループの大庭氏は、
“大半のIPO準備企業は、何をやれば良いのかはある程度分かっていたとしても、限られた時間の中でかつ高い精度で、そのタスクを消化していくための時間が圧倒的に足りていない。この状況は、監査法人における監査業務に通じるものがあり、間違いなく監査法人での業務経験を活かして支援することが出来る領域”
と指摘する。
インターワークスもそうであったが、開示に関する論点自体は決して難易度が高いわけではないのだが、定常業務のボリュームが多すぎるため、対処方法を調べたり考えたりする時間がないことがボトルネックになることが多い。
「膨大な業務を効率良く処理していくためには、対処すべき課題やタスクについて優先順位をつけて対応していかなければなりません。これはいわゆる監査業務におけるリスクアプローチの考え方によるところが多く、重要性の高い部分に優先的に時間をかけると同時に高い精度でのアウトプットを心掛け、また重要性が低く優先度を下げても良い項目であれば、その根拠を明示しつつ証券会社や監査法人、証券取引所、更には社内関係者と合意形成しつつ調整していく点が共通していると感じています。
IPO準備の作業は決して一人では完結し得ません。これは監査業務にも共通しています。それぞれが与えられた枠組みの中で最大限のパフォーマンスを発揮するよう協力体制を敷きつつ、膨大な情報を処理していけるかどうかが、ポイントではないでしょうか。
そういった意味では、CFOあるいは管理部長という立場は、管理部あるいは社内における信頼の中心にいて、各担当者に作業を割当てつつ、各担当者のパフォーマンスを引き出すための総論的な情報のインプット及び理解が必要なのではないでしょうか。」
大庭氏は語る。
細かい作業は管理部でまきとる、営業が営業に専念できる組織作り
大平氏 インターワークスのIPO準備がスムーズに進んだ一因として、組織体制も挙げられる。CFOの大平氏曰く、“営業部門を動かさなくても管理体制や内部統制を整えられる体制を作ってきた”という。
インターワークスでは、営業事務や請求書発行、KPIの集計など、細かい部分は管理部や事務方が行い、社内システムもそれが前提で設計されている。
“営業が商品を売ることに専念できる環境”があるため、営業部門は売上を追い、管理部門は日々の管理業務やIPO準備に専念できたと言えるだろう。“営業が営業に専念する”というのは当たり前のことかもしれないが、それを管理部門の視点から突き詰めてきたのが同社の強みでもある。
この点に関して、Bridgeグループの大庭氏はベンチャー企業における“管理部門管掌役員の重要性”を語ってくれた。
「ベンチャー企業がIPO準備をスムーズに進めるにあたっては、対象企業のこれまでの変遷、組織図、役員構成といった点も重要な要素の一つです。特に管理部門管掌の取締役の存否やIPO準備を推進する取締役に社内でどれだけの力が集中しているのかも重要なポイントになります。
例えば役員構成が営業や開発、技術系統に傾斜している企業の場合はどうしても、組織内のパワーバランスが営業や技術側に傾斜するため、限られた経営支援(ヒト・モノ・カネ)をこの大切な時期に、管理部強化のために配分・投資することが難しくなります。
結果として十分なリソースの投入が進まず、IPO準備がスムーズに進まない状況に陥るケースがあります。
同社のIPO準備はこれまで当社が見てきた中でもかなりスムーズに進んだ印象がありますが、大平氏が会社全体の中で信頼を集め、IPO準備のコントロールタワーとして推進されてきた影響が大きい」と言えます。
CFOが語る外部の専門家を活用する方法とは?
同社のIPO準備においては、外部のプロフェッショナルファームであるBridgeグループがサポートを行ったが、大平氏は、特に会計分野において外部の専門家を活用すべき理由をこう語る。
「近年では開示基準が毎年のように変わり、有価証券報告書を作成するために必要な知識もますます専門的になっています。
そのため、会計や開示基準を常にキャッチアップしていく必要がありますが、それが本当にできている企業は多くないと思いますし、そもそもベンチャー企業の経理担当者が、日々変わる基準にタイムリーにキャッチアップしていくのはかなり難しいと思っています。
それでも、それらに対応できる体制を作ろうと努力していかなければならないわけですが、数あるセミナーに参加したり書籍を読んだりして学んでも、それだけでは教科書上の一般論を理解するだけで、“じゃあ、ウチの会社の場合はどうしたら良いのか?”という具体論の答えは出ないわけです。
そういった際に、自社向けの具体論に一般論をカスタマイズしてくれる存在として、Bridgeさんのような外部の専門家が頼りになると思っています。」
管理者がマネジメントに専念できる体制へ -インターワークスが目指す今後の経理部
上場後の現在、Bridgeグループは引き続きインターワークスの開示や内部統制をサポートしている。
Bridgeグループによるインターワークスへの“家庭教師”は引き続き順調に機能し、上場企業としてのあるべき開示・内部統制を維持するためのノウハウはインターワークスの社内に着実に蓄積されつつある。
2014年、BridgeグループがIPO準備をサポートした企業のうちインターワークスを含めた5社のIPOが実現し、その5社全てにおいて上場後も管理や開示に関するアドバイザリー契約が続いているという。
財務・経理部長の竹井氏は、「新たな論点が出て、実務として、当社としてどうなのかという話になったとき、Bridgeの方々は的確にアドバイスをくれ、メンバーたちにその解釈の仕方や考え方も指導してくれるためとても心強い。」と語る。
Bridgeグループの大庭氏は、最後にインターワークスの開示体制について熱く語ってくれた。
「これまでは私も手を動かして実務レベルに入っていきながら業務を牽引してきました。しかしながら、本当の意味での“強い管理部門”とは、管理部が自立し、我々のような外部委託者の力を借りずとも業務を推進出来る体制を運用していくことだと思います。
そういった意味では、同社が開示体制を完全に内製化し我々との契約終了を迎える時が、我々の目指すべきゴールであり、それは我々がひとつクライアントを失うタイミングでもあります。
もちろんクライアントは1社でも多い方が良いです。ただ、Bridgeの存在意義はクライアントをより高いステージに導くこと。最後まで彼らと一緒に走り続けるつもりです。」
こうしてインターワークスの2回目のIPO準備は成功裏に終わった。
1度目のチャレンジでIPOを実現できなかったことは同社にとって無念であったかもしれない。しかし、1度目のIPO準備で上場できなかったことが、事業面においても管理面においてもより強固な現在のインターワークスへとつながったとも言える。
IPOを目指すべきなのは市況の良い “今” なのか!?その答えに正解はない。
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