突然の事業撤退!?事業承継から4年でIPOを実現した製造業とそれを支えた公認会計士たちの話
もし、ある日突然、あなたが所属している組織が事業を撤退することとなったらどうするだろう?
かつて業績不振から撤退に追い込まれた事業が、2015年3月24日、わずか4年で東証マザーズへの上場を実現した。
「私たちは社長に2度救われた」
従業員たちがそう語るその会社は株式会社RSテクノロジーズだ。
かつて上場企業のいち事業部としてシリコンウエーハ再生事業を営み、2010年の事業部閉鎖、再出発直後の東日本大震災による主力工場の被災という2度の危機を乗り越え、破綻からわずか4年でIPOを実現した同社。
上場後もさらなる成長を目指すRSテクノロジーズだが、ここまでの道のりや同社のIPOを支えた公認会計士たちの活躍はあまり知られていない。
今回は、そのストーリーをお届けする。
リーマン・ショックによる事業破綻、4社の支援候補企業
シリコンウエーハ再生のパイオニアを巡る入札
株式会社RSテクノロジーズが主力とするシリコンウエーハ再生事業は、かつて、中堅化学メーカーであるラサ工業株式会社(東証1部上場)の事業部のひとつであった。
ラサ工業は1984年にシリコンウエーハ再生事業を日本で初めてスタートした同業界でも世界のパイオニアのひとつであったが、直前の大型投資の影響もありリーマン・ショックでの損失に耐え切れず、2010年、同事業から撤退することを決める。
撤退を決めた当初、ラサ工業は同事業の装置・設備をすべて売却し、事業自体をクローズする予定だったが、業界や従業員、工場の周辺地域への経済的影響など、社会的損失も小さくないと考え事業承継へと舵を切った。
同社のシリコンウエーハ再生事業は、経営不振はあれどもその技術力には業界内でも定評があったこともあり、4社の企業が引受け候補として名乗りを上げた。
そして、当時、事業承継に名乗りを挙げたうちの1社である「株式会社永輝商事」にて本プロジェクトの責任者を務めたのが、現・RSテクノロジーズ・取締役管理本部長の鈴木正行氏だ。
1970年、鈴木不動産商事、入社。嘉藤建設株式会社、サクラ産業株式会社を経て、平成21年3月、株式会社永輝商事入社。平成22年12月、ラサ工業からのシリコンウエーハ再生事業の承継に伴い株式会社RSテクノロジーズ設立、取締役管理本部長に就任。同社子会社である艾爾斯半導体股份有限公司の董事長も務める。
当時、4社が事業承継に名乗りを挙げましたが、当社以外の3社は外資系であり、ラサ工業の技術を欲していたようで、高額での買収も厭わない姿勢だったと伺っています。
ただ、当社は他社とは明確に違うスタンスで、買収後もラサ工業の工場を賃貸して現地で事業を継続する。
この事業に本当に興味があり、経営陣たちが心の底からおもしろいと思っている。ということを提示し、事業そのものやそこで働く人たちを大切にする意思を伝え交渉にのぞみました。
同事業を分析していく過程で事業の魅力を感じていたのはもちろんですが、それ以上に日本でこの事業を行う社会的意義もあると感じたためです。
結果、永輝商事の事業計画が評価され、2010年12月、ラサ工業からシリコンウエーハ再生事業を継承した株式会社RSテクノロジーズが設立される。
入札には勝った…しかし、売上はゼロ、ここからが勝負。永輝商事のメンバーたちはコンペに勝利し、RSテクノロジーズとして新事業に取り組むことになった。
また、ラサ工業の事業撤退に伴い一旦は解雇となっていた従業員55名が、承継によってRSテクノロジーズにて再雇用され事業に復帰することとなった。
しかし、今回は設備のみを譲渡するスキームであったため、B/SやP/Lのリストラは終わっていたものの、ラサ工業時代の顧客はすべて他に流れてしまっている状況であった。
「顧客ゼロ」「売上ゼロ」からの再スタートである。しかし、RSテクノロジーズのメンバーには勝算があった。
「ラサ工業が取り扱っていたモニターウエーハと呼ばれる製品は、半導体製造に必要とされるシリコンウエーハの業界では確実に需要があり、それを再生利用する技術にも定評があった。しかも、シリコンウエーハのマーケットは年4~6%平均で伸びてきており、この10年で倍になっている。
現在、新興国においてPCやスマホなどのデバイスが普及し、先進国でもデバイスの数は急速に増加している。今後の世界の半導体需要増を考えると、シリコンウエーハ再生市場にも同様に成長が見込めると考えていた。」鈴木正行取締役はそう語る。
再始動直後の東日本大震災
これを機会にRSテクノロジーズの経営陣と従業員たちの結束はより深いものとなっていった。
「私たちは社長に2回助けられました。」
鈴木正行氏は、インフラの復旧後、同社の三本木工場で行われたキックオフにて従業員代表から発せられたその言葉が今も心に残っているという。
事業閉鎖と震災、2度の危機を乗り越えたことによって確固たるものとなった従業員たちの絆。「当社には技術力がある。しかし、本当の強みは従業員たちのモチベーションの高さ。」鈴木氏はそれがRSテクノロジーズの秘めたる強みだと語る。
f計画通りの成長、IPO準備のスタートと公認会計士との出会い
念願の損益分岐点超え、いよいよIPOへ
設立前から苦難の連続だったRSテクノロジーズだが、震災後、5ヶ月を経て工場は無事に再稼働を始める。
兼ねてより定評のある高品質な再生ウエーハ技術により、また、経営陣のネットワークや営業部門の努力の甲斐もあり、同社製品への問合せは徐々に増え、受注も徐々に戻っていく。
そして、同社の設立から1年10ヶ月、再稼働から1年2ヶ月後の2012年10月、同社の事業はついに損益分岐点を超えることとなった。
「この事業ならIPOも目指せる。」
同社の業績を見て、経営陣たちはIPOへの確信を深める。
損益分岐点を超えたとは言え、当時のRSテクノロジーズの前期(2011年12月期)の決算書は累損を抱えている。また、当期(2012年12月期)も累損は残る見込みだ。
しかし、鈴木正行氏は「この時点で手応えがあった」という。
実は、震災により当初の事業計画よりは遅れたものの、同社は5ヶ月遅れで計画通りの利益を出せていたのだ。
「買収時の計画に近い形で利益を出せるだろうとは予測していたが、震災の影響があった中でも予定通りの利益が出たことによって、“確実に利益を出す事業にできる”と確信した。」
鈴木正行氏はそう語る。
そして、損益分岐点の突破をきっかけに、2012年12月、同社は取締役会にてIPO準備に入ることを正式に決定した。
IPOのための管理部門強化 -公認会計士に支援を依頼
2012年12月、取締役会での決定を経てRSテクノロジーズのIPO準備はキックオフとなった。
- キックオフ
- 2012年12月
- 上場承認日
- 2015年2月17日
- 上場日
- 2015年3月24日
事業に関しては当初の見込み通り順調に成長軌道へと乗せたRSテクノロジーズだが、当時の管理部門は、経理部長(畠中隆司氏)と経理スタッフ(工藤愛氏)の2名体制。取締役管理本部長である鈴木正行氏自身も一部、実務をサポートするという状況であり、上場を目指すには管理部門はまだまだ人が足りない状況であった。
そこで、同社は中途採用にて人員を補い管理部門を強化することとする。まずは中途採用で内部監査室長を採用。
しかし、当然のことながら内部監査と経理だけでIPO準備は進まない。さらなる増員のために中途採用は継続していたものの、当時の同社は名も無き未上場の製造業。IPOを目指すほど成長中とは言えIPO準備を牽引できる優秀な人材を採用することは簡単ではなかった。
「IPO準備に向けて内部統制や開示がわかる人材を早期に採用したかったが、やはりそう簡単にはうまくいかなかった。」鈴木正行氏は当時の採用活動をそう振り返る。
そんな時、関連会社の経営陣より「IPO準備の力になってくれそうな会計士たちがいる」という話を耳にする。
当時、IPO支援において徐々に頭角を現し始めていた経営管理支援集団・Bridgeグループである。
Bridgeグループは所属するプロフェッショナルを企業に派遣することによってIPOを常駐で支援していたのだが、彼らが時を同じくしてRSテクノロジーズの関連会社を支援していたことがきっかけで紹介に至ったのだ。
【RSテクノロジーズ社のIPO関係者】
- 監査人
- 有限責任 あずさ監査法人
- 主幹事証券会社
- 株式会社SBI証券
- IPOコンサルタント
- Bridgeグループ
取締役の鈴木正行氏は、Bridgeグループとの初めての面談で「1時間足らずの時間で依頼を即決してしまった。それくらい頼りになると感じた。」と語る。
「当初は、内部統制を構築していく上でのダブルチェック体制を作るための作業員を一時的に派遣してもらう程度の考えでした。
ところが、実際に会って話してみると、専門知識があり、何より熱い想いがある。価格も適正で、自社で高い報酬を払って雇用をせずともプロフェッショナルの専門ノウハウを借りることができる。これは即契約だと想いました。」
また、BridgeグループCEOの宮崎良一氏(公認会計士・税理士)は、鈴木正行氏との初めての面談において会社の目指す方向性や当時の管理部門の状況をヒアリングした時点で、“このプロジェクトは成功する”と確信したという。
2005年、同志社大学商学部卒業、有限責任監査法人トーマツ・トータルサービス1部に入所。会計監査、IPO支援業務、内部統制支援業務、IFRS導入支援業務等の経験を経て、2011年10月、株式会社Bridge(現・株式会社BridgeConsulting)を設立し、代表取締役CEOに就任。現在は、経営管理業務総合支援のBridgeグループ代表CEOを務める。
「IPO自体の成否は業績やマーケットの状況にも左右されますのでもちろんそこは断言できませんが、鈴木様の頭の中では上場に向けて管理体制をどうすべきかというイメージがあり、それに向けての足りない部分を明確に把握されていました。
アウトソースを利用する際に、アウトソーサーに丸投げするのではなく、依頼者自身が不足しているリソースを明確に把握し、テーマを決めてアウトソーサーを利用できる企業では、プロジェクトの成功確率は大きく高まります。RSテクノロジーズさんもまさにそのケースで、この企業なら上場基準を満たす管理体制の構築はうまく行くだろうと直感しました。」
会計実務のプロと会計コンサルのプロ -ふたりのプロフェッショナル
こうしてBridgeグループが加わった同社のIPO準備は徐々に進み始める。
そして、その3ヶ月後、もうひとりのキーマンがRSテクノロジーズに加わることとなる。
2013年7月にIPO準備担当者として同社に入社した伊藤信隆氏である。
【RSテクノロジーズ社のIPOと人材採用】
- キックオフ
- 2012年12月(取締役管理本部長・鈴木正行氏/経理部長・畠中隆司氏/経理スタッフ・工藤愛氏)
- 内部監査室長の入社
- 2012年12月
- IPOコンサルタント(Bridgeグループ)の参加
- 2013年4月
- IPO準備担当者(伊藤信隆氏)の入社
- 2013年7月
- 総務課長(伊藤正彦氏)の入社
- 2013年9月
- 上場承認日
- 2015年2月17日
- 上場日
- 2015年3月24日
RSテクノロジーズのIPO準備を実務面で支えたのがこのIPO準備担当者である伊藤信隆氏、そして、Bridgeグループの松本慎一郎氏(公認会計士・税理士)のふたりだ。
2006年、立教大学経済学部卒、大学時代に税務会計論および租税法を専攻し、全国大学対抗簿記大会にて優勝を経験。2006年4月、東証1部上場企業に入社、本社経理部に配属。7年間で制度会計・管理会計など幅広く経理業務を経験、特に決算業務・各種開示業務・IR業務・M&A関連業務・IPO準備業務に従事。その後、RSテクノロジーズにて上場準備担当者として、内部統制構築業務・決算業務・各種開示業務・IR業務など上場準備に係るすべての業務に従事。現在は、上記に加えて子会社支援、資本政策立案業務にも携わる。
伊藤信隆氏は、大学にて税務会計論および租税法を専攻の後、新卒で東証一部上場企業に入社。決算・開示・IRなどに従事し、学生時代には全国大学対抗簿記大会にて優勝経験もある叩き上げの経理マンだ。
伊藤信隆氏は、RSテクノロジーズへ入社した理由を、「前職の上場企業がMBOによって非公開化したことからIPOの準備業務経験を活かせる職場を探していた。設立2年半の会社に対して不安がなかったと言えば嘘になるが、事業としてのポテンシャルやIPO準備業務への魅力も感じ、チャレンジし甲斐のある職場だと思い入社を決めた。」と語る。
一方で、Bridgeグループ側のキーマンは公認会計士の松本慎一郎氏だ。
2002年、同志社大学法学部卒業、有限責任あずさ監査法人東京事務所-第3事業部に入所。上場企業に対する財務諸表監査や内部統制監査、非上場企業に対する会社法監査、未公開企業に対するIPO関連業務、外国法人の日本拠点企業に対するリファード業務(US-GAAP、IFRS)等の経験を経て、2013年独立。同年9月、株式会社Bridge(現・株式会社BridgeConsulting)に参画し、同年12月より株式会社RSテクノロジーズの業務支援を開始する。2015年3月、日影公認会計士共同事務所設立、現在に至る。
松本慎一郎氏は大手監査法人にて製造業や小売業に対する監査業務を中心に、その他、アドバイザリー業務やIPO関連業務、リファード業務などの経験を積みBridgeグループに参画した会計のプロフェッショナルである。
松本慎一郎氏はRSテクノロジーズの管理部門への第一印象をこう語ってくれた。
「当初はIPOに向けて揃ったばかりのメンバーだったこともあり、正直、組織としてはまだ未成熟な印象を受けました。ただ、メンバーのポテンシャルが高かったため、彼らが良いチームになるために力になりたいと思っていました。」
今回のIPO準備は、経理マンとして現場での実務経験が豊富な伊藤信隆氏などその他の管理本部のスタッフ達と、会計コンサルタントとしての企業支援経験が豊富な松本慎一郎氏のチームワークによって大きく推進されたと言える。
IPO準備の論点 -過年度決算の修正と内部統制
RSテクノロジーズ取締役・鈴木正行氏はBridgeグループの仕事をこう評価する。
「今回、アウトソースを始めて利用したが、ただ作業員を派遣してくれるのとは圧倒的に違う感覚だった。通常、アウトソースといえばこちらの依頼したい作業がありその処理を依頼するイメージだが、彼らは作業の目的を共有し、その目的を達成するために必要なスキルと知見を持った会計士を送り込んでくれる。
作業をこなす以上の能力を持っている会計士がその能力を最大限に発揮し、目的の達成へと導いてくれるため、期待以上の成果と感動があった。」
RSテクノロジーズのIPO準備は、当初、社内でコアとなる5名のメンバーが推進しており、伊藤信隆氏のように上場企業の出身者などポテンシャルの高いメンバーが揃っていた。
一方で、伊藤信隆氏のような上場企業の出身でかつIPO準備の経験者はいたものの、総じてIPO準備の経験者が足りなかったため、上場準備におけるテクニカルな部分で松本慎一郎氏が知識を補う形をとったという。
伊藤信隆氏によると、同社のIPO準備の実務においてポイントとなったのは「開示」と「内部統制」のふたつだという。
「決算・開示においては、1年で過去4年分の遡及監査が行われたため、それに対応する当社側もとても人手が足りなかった。開示書類の作成においても税効果など会計テーマをひとつひとつ資料を作って潰していく作業を行ったが、アドバイスだけではなく作業も一緒に行ってくれるBridgeのサポートにより大きく時間を短縮できた。」
伊藤信隆氏はBridgeとの連携をそう評価する。
こうしてRSテクノロジーズは、Bridgeとの連携によって、決算(単体・連結)、開示書類(Iの部、会社法計算書類)の作成といった作業を膨大な業務量に苦労はしながらも順調に進めていった。
また、IPO準備企業がいずれも直面する課題が内部統制の構築だ。
内部統制の構築では、構築・評価のスケジュールを策定し、全社統制チェックリスト、業務プロセス文書の作成、評価などを行っていかなければならず作業量は膨大となる。
RSテクノロジーズにおいても例外ではなく、伊藤信隆氏も、「内部統制に関しては、作業量が多いのはもちろん、テクニカルな部分も多いため、要点を押さえて効率よく作業を進めなければ、とても期日に間に合わない状況だった。」と当時の状況を振り返る。しかし、「こちらがどうしたいか、我々の意図を即座に理解してくれる松本氏のサポートに助けられた。」という通り、ここでも松本慎一郎氏との連携によって困難を乗り越えていく。
Bridgeの松本慎一郎氏は、「当社の持つ知見によってサポートさせて頂いたのは事実だが、内部統制の仕組みは決して外部の人間だけでは構築できず、内部の人間の協力が必須。今回は伊藤氏のおかげでRSテクノロジーズの内部の方々との連携がうまくいった。」と成功のポイントを指摘する。
伊藤信隆氏が営業部門や製造現場など社内各所との必要な調整をスピーディーに行ってくれたことにより作業がスムーズに進められたのだという。
伊藤信隆氏は今回のIPO準備を、「鈴木(取締役)のマネジメントや松本氏のサポートもあり、メンバーそれぞれが自分のポジションでスキルを活かすことができたおかげで、IPO準備を通じて全員の気持ちがひとつになり、チームが一体となっていった。」とまとめる。
ビジョンが引き出す組織の強さ -同じ船に乗る仲間たち
こうしてRSテクノロジーズのIPO準備は順調に進み、2015年3月24日、無事に東証マザーズへの上場を果たした。
事業の破綻から4年、上場を実現するまでの復活を遂げたRSテクノロジーズの強さはどこから生まれているのであろうか?
BridgeグループCEOの宮崎良一氏は同社の強さの要因を「企業としての目的やビジョンがはっきりしており、かつ、経営陣にそれを言い続けられるリーダーシップがあること」だと分析する。
「同社には内部の人間も外部の人間も関係なく“みんなで同じ目標に向かい、みんなで幸せになろう”という雰囲気がある。まるで同じ船に乗っている仲間のようであり、部外者である我々に対してもまるで同じ会社のメンバーのように接してくれる。そのため、組織の外の人間も巻き込んで一体感があり、情報共有や業務の連携もスムーズに行く。
同社への支援を通じて、経営陣が明確なビジョンや目標を示し続けることが企業の現場にはこんなにも影響があるのかということをこちらが学ばせて貰った。RSテクノロジーズを見ていると10年後、きっと世界を代表する会社になっていると感じるし、そういった企業に貢献できるよう我々も日々努力し成長しなければならないと、こちらの身が引き締まる思いでいます。」
RSテクノロジーズはどのようなビジョンを掲げているのか?取締役の鈴木正行氏はこう語る。
「当社のビジョンはシンプルで、創業時から一貫している。
“社会に貢献できる企業となろう”
“会社を大きくして利益を出して税金を納める。そして、シリコンウエーハ再生分野で世界一の企業となろう”
そういった目標からすると従業員にとってIPOは通過点でしかないし、仮に上場できなかったとしてもそんなことで従業員たちは動じなかったと思う。我々は本気で世界一を目指しています。」
鈴木正行氏の言葉は力強い。
公認会計士の本来の姿とは?-企業の発展を通じて国家の発展を支える
上場後の現在、RSテクノロジーズの管理部門ではさらに2名のメンバーを採用し、Bridgeグループも同社の管理体制をより強固なものにするため、海外子会社の内部統制や連結決算など支援を継続している。
RSテクノロジーズの鈴木正行氏と伊藤信隆氏は、最後に、Bridgeグループの活躍や公認会計士への期待について口を揃えてこうまとめてくれた。
「公認会計士という資格には本来“上場企業を開示という側面から支えることによってその会社を発展させ、ひいてはそれが国の発展につながる”という意義があると思う。
そして、公認会計士の中にはかつてそういった存在を志し、会計士を目指した人も少なくないはず。
しかし、残念ながら現状では上場企業の不祥事などによって監査は厳格化され、公認会計士がアドバイスを行う余地が少なくなってしまっている。こういった環境では当初の高い志を失ってしまう会計士も多いのではないか…そう危惧していたところBridgeのメンバーたちに出会いそれが杞憂だと気づいた。
情熱と専門知識を持って監査法人を飛び出し、ベンチャー企業を支援する。彼らに公認会計士のあるべき姿のひとつを見た気がする。」
※記事内容は、インタビュー実施時期に基いて作成しているため、会社名・役職等にその他一部の内容が現時点と異なる場合もあることをご了承下さい。
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