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ビジネスデューデリジェンスの必要性
ビジネスデューデリジェンス(以下「ビジネスDD」)は主に事業性の評価を目的として、M&Aや事業再生の場面で多く行われます。 事業性の評価とは、対象企業の成長性や収益性を、事業の概要や対象企業を取り巻く市場や業界の特性・動向を把握することで競争優位の源泉を明らかにし、将来のキャッシュフローの創出能力を評価することです。 一般的に、デューデリジェンスとは過去から現在までの分析を意味しますが、ビジネスDDは過去から現在までの事業性評価を行うことで、現在から将来への事業の方向性を担保する役割を担うといえます。 特にM&Aや事業再生の現場では多くの利害関係者が存在しており、事業計画を作成し関係者の同意取得を目指すことになりますが、皆が納得できる事業計画となるためには、このビジネスDDに基づいた事業の共通認識を持つことが重要となります。 以下では、ビジネスDDの具体的業務からその必要性をお話します。
財務デューデリジェンスの必要性
財務デューデリジェンス(以下、「財務DD」)とは、対象企業の経営成績や財政状態、資金繰りの状況を調査・報告することであり、M&Aや事業再生の現場で多く活用されます。 M&Aでは、買収前に潜在的な財務リスクを洗い出すことで、買収後に企業価値を毀損させるような予期せぬ事象が生じることを防ぐ必要があります。また、事業再生では、実態純資産が債務超過である場合、債務超過を解消することが金融機関に債務を繰り延べてもらうための要件の1つであるため、事前に財政状態を調査する必要があります。 一般的に、BS面では資産であれば含み損の存在や潜在的な減損リスクがないことを、負債であれば簿外債務がないことを明らかにし実態純資産を算定します。PL面では通常の営業活動によって獲得できる正常収益力を算定することをいいます。また、事業再生の現場ではさらに清算時の換金価値を試算するために、清算BSや破産配当率を算定します。金融機関が、対象企業が事業を継続した場合と清算した場合の回収額を比較できるようにするためです。 M&Aや事業再生の現場で財務DDは多く活用されますが、状況によってその必要性は異なるため、具体的な調査項目を明らかにしながらその必要性について説明します。
M&A支援のプロが語る。成功するM&Aと失敗するM&A
もはやM&Aは成長戦略を描く際の選択肢の1つとなっています。M&A後のマネジメントも重要ですが、「そもそもこの企業をM&Aすべきだったのか」という声は世の中のニュースでも数多く目にします。今回は、多くのM&Aに関わる顧客の支援をしてきた稲岡氏から成功するM&Aという観点で語っていただきました。