クリニファー株式会社
国内外市場向け医薬品卸売事業
73年老舗企業を支えた伴走型IPO準備の裏側とは?
2025年10月に東京プロマーケットへの上場を果たしたばかりの株式会社アクトビの経営陣に、上場に至った背景や今後の展望についてインタビューしました。
100年先も成長を続ける会社作りを目指す中で、ガバナンス体制の整備や透明性のある経営を続けるタイミングとして上場を決断したといいます。
上場準備の過程で感じた課題や、支援会社の活用方法、そして今後の事業ビジョンについて伺いました。
代表取締役社長 兼 CEO
藤原 良輔
専門学校を卒業後、自動車整備士として勤務し、22歳で個人飲食店を開業。その後ソフトウェアエンジニアとして、複数の開発案件や社内新規事業の立ち上げなどを経験。エンジニアとしての経験の中で気づいた「エンジニアやデザイナーは “つくる” ことに価値を発揮するのではなく、”つくれることを活かして事業課題の解決や価値創造ができる存在になれる”」という考えのもと、2018年2月ACTBE Inc. を設立。現在はエンタープライズ企業のDX支援を軸に、新規事業開発や業務改善、ブランディング事業に積極的に取り組む。
社外取締役 公認会計士
山本 雄三
大学卒業後、あずさ監査法人にて上場企業の監査業務や、上場準備会社の株式上場(IPO)支援に従事した他、基幹システム導入、業務効率化支援、内部統制構築などのコンサルティング業務に従事。2020年より経理DX支援で独立し、2022年に株式会社ReaLight(https://realight.co.jp/)を設立。2024年3月より、株式会社アクトビの社外取締役に就任。
Backoffice/Corporate Unit Unit Manager
小高 結衣
1997年兵庫県生まれ。高校卒業後、営業事務・役員秘書など幅広いバックオフィス業務に携わる。顧客の本質課題に向き合う姿勢を持つアクトビの価値観に共感し、2023年6月に1人目のBack Office Staffとして入社。業務基盤の整備、制度設計、組織の成長を支える仕組みづくりを担い、2025年5月に執行役員 管理部長に就任
ブリッジコンサルティンググループ株式会社 コンサルティング事業本部 総合コンサルティング5部(関西) マネージャー
青笹 匡克
大学院で応用化学を専攻後、総合素材メーカーにて染色加工工場の製造に携わる。大手監査法人にて製造業、卸売業、金融機関などの多様な業種の会計監査業務、IT監査を中心とした内部統制監査に従事。 「クライアントの潜在的な課題解決」をモットーに、クライアントに本質的な価値提供することで、信頼されるビジネスパートナーを目指している。
Interview
藤原氏 元々弊社の経営方針として「100年先も成長を続ける会社作り」をベースに組織を作ってきました。TPMへの上場を決めたのは今からちょうど2年前です。当時、創業から6年ほど経っており、組織体制が整ってきて、事業も伸びてきているなかで、たまたまTPMというものを知る機会がありました。 創業してから大きな不祥事もなく経営をしてきたので、このままガバナンス体制を維持し、透明性のある経営を続けていくには、このタイミングでTPMに上場するのがちょうど良いと考えました。また、弊社の取引先はほとんどがエンタープライズ企業、つまり大手企業が多いので、そういった会社との取引の際に与信を通しやすくするためにも上場は良いタイミングだと考えました。
──TPMを知ったきっかけを具体的に教えてください。
藤原氏 J-Adviserの取締役の方とお話をする機会があって、そのときにTPMという市場があることを教えていただきました。知った瞬間にもう上場しようと決めて、最短スケジュールで上場するためにはどうしたらいいかを相談しました。 相談したのが年末で、当時弊社は1月決算だったのですが、関連当事者取引や子会社の整理などを今期残り1ヶ月で実施するのは難しく、決算期を3ヶ月ずらすことにしました。
──上場を目指す経営者とそうでない経営者で、経営に対する考え方の違いについてどう感じていますか?
藤原氏 上場を目指す経営者とそうでない経営者では、経営に対しての考え方が違うと思います。私個人としては、100年先も成長を続ける会社作りのためには、IPOを目指すべきだと考えていました。 もちろん経営者個人の資産形成などを考えたら、上場しない方がいいかもしれません。でも、会社として成し遂げたいことが見えづらくなる局面が来るだろうと思ったので、自制心を保つためにも上場しようと思いました。
Interview
──上場準備を進める中で感じられた課題と、その解決方法について教えてください。
小高氏 社内にIPO経験者がいなかったので、発行者情報や開示書類の作成の知識がなかったことが苦労した点の一つです。専門性が高く、提出書類の数も多いですし、事業内容やリスク、財務状況を正確に記載するルールもあるので、そのノウハウがなかったのが大変でした。 そのため、発行者情報の作成支援についてはブリッジコンサルティンググループ株式会社(以下、BCG)にお願いすることにしました。
──発行者情報の作成において、BCGはどのように支援しましたか?
山本氏 発行者情報の作成を完全に依頼する形でした。具体的にはBCGがドラフトを全て作成し、それに対して弊社側でコメントをつけ、また修正していただくという流れで進めました。スケジュール管理も含めてBCGに進めていただきましたが、スピード感を持って対応いただけたのはとても助かりました。 ただ、弊社側としてはレビューの仕方がよくわからない部分もあり、少し苦労しましたが、何とか形になってよかったと思います。
──発行者情報の作成依頼の経緯を教えてください。
山本氏 発行者情報を一から作るリソースが社内になかったことと、何をどうしたらいいかわからなかったので、アウトソーシングを検討しました。アウトソーシング先については、以前所属していたこともあり、依頼した業務の進め方イメージもついていたので、BCGに依頼することにしました。
──その他上場準備にあたり必要となる、内部統制の整備や経理体制整備はどのように行われましたか。
山本氏 経理周りは、従前より税理士法人が顧問で入っていたので、半分以上は外部の税理士法人に会計処理をしていただき、それを社内の人間がチェックするという体制で回ってきました。その体制自体は、J-Adviserから特に問題ないというお墨付きもあったので、大きな変更は行っていません。 内部監査は弊社としては未経験の業務でしたが、フォーマットをJ-Adviserからいただいていたので、社内で内部監査担当者をたて、進めることができました。立ち上げ時は苦労しましたが、なんとかやり抜くことができました。 私の関与は、上場を本格的に目指すタイミングで、監査法人のショートレビューにより、上記内部監査を含めた各種課題が洗い出された頃でした。
Interview
藤原氏 正直なところ、上場そのものは通過点、プロセスの一つとしか捉えていません。上場セレモニーの瞬間は舞い上がる気持ちになるのも理解できますが、私自身あまり感動はありませんでした。 それよりも、上場に向けて社内の規定を整備するなど、メンバーやマネージャー層と一丸となって取り組んだプロセスにこそ価値があったと感じています。上場はあくまで通過点であり、これからも社員と力を合わせて会社の成長を目指していく所存です。
Interview
──事業を通じて叶えたいことや目指すビジョンについて教えてください。
藤原氏 組織単位としては、100年続く企業づくりが全てです。今の通期テーマとして、エンジニアとデザイナーの職域の再定義を一つのテーマにしています。 その実現に向けた指標も作っている状態で、5年以内、2030年のビジョンとして達成していきたいと考えています。私たちは「Purpose Driven Tech-Integrator(目的駆動型のテクロジー専門家集団 )」なので、「何のために開発するのか」という目的に立ち返り、技術の可能性から最適な課題解決を提案しつづけます。
──今後5年の中で目指す姿について、もう少し具体的に教えてください。
藤原氏 単にモノづくりやソフトウェア開発だけでなく、社内の様々な領域に関わっていけるよう、エンジニアやデザイナーの職域を広げていきたいと考えています。しかし、多重下請け構造の中では、彼らの価値は物を作ることに限定されがちです。私たちはそれを変えていきたいと思っています。 だからこそ、弊社は基本的に下請け仕事を受けないようにしています。エンジニアやデザイナーの価値を、もっと多様な形で発揮できる業界構造を作っていくことが目標です。
──御社では、物を作ること以外の価値を提供できるエンジニアを育成するために、どのような取り組みをされていますか?
藤原氏 まず、弊社では20代、30代の若手エンジニアの採用に力を入れています。彼らが20代のうちに、新しいデジタル人材へと成長できるような教育を社内で行っています。ただ、教えているのはプログラミングなどの技術的なことではありません。むしろ、考え方の深さや人間的な部分の成長に重きを置いた教育を行っています。 これは、弊社が単なるDX企業ではなく、人を育てる会社だと考えているからです。
──御社では社員教育にどのような方針で取り組まれているのでしょうか?
藤原氏 弊社では、エンジニアやデザイナー、コンサルタントであってもビジネスマンとしての素養が必要だと考えています。例えば、自分の言葉で伝える、相手の言葉の意図を汲み取る、相手の言葉を鵜呑みにせず自分で考えるなど、約40項目の人間としての基本的な部分を、“正しく成長するための滑走路”として社内で定義付け、大切にしています。 これらの項目をベースに、現場で一緒に苦しみ悩みながら常にフィードバックを行い、社員を育成しています。
──本日は貴重なお話をありがとうございました。
※記事内容は、インタビュー実施時期に基いて作成しているため、会社名・役職等にその他一部の内容が現時点と異なる場合もあることをご了承下さい。
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