73年老舗企業を支えた伴走型IPO準備の裏側とは?

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73年の歴史を持つ老舗企業が、なぜ今、上場を決意したのか。
クリニファー株式会社(以下、クリニファー社)は2025年10月、東京プロマーケット(以下、TPM)への上場を果たしました。

BtoBビジネスで堅実な成長を続けてきた同社が、採用面での知名度向上という新たな課題に直面し、上場という大きな決断に至るまでの道のりとは。
今回は、同社の経営陣の皆様に、上場準備の舞台裏と今後の展望について詳しく伺いました。

  • クリニファー株式会社 代表取締役社長

    戸田 晃平

    大学卒業後、家業の光成薬品に入社。 2011年から英国法人を設立し医薬品卸業を行う。 帰国後2017年にヘルステック(現クリニファー)を設立。 2021年に光成薬品を子会社化し、医薬品卸とITの融合を推進。 2025年東京プロマーケット上場。

  • クリニファー株式会社 取締役副社長 経営戦略ユニット本部長

    戸田 さおり

    2013年、家業の光成薬品株式会社に入社。 管理部門にて組織運営全般に従事した後、2018年より同社取締役副社長を務める。 2021年からは親会社クリニファー株式会社の取締役副社長も兼務。

  • クリニファー株式会社 取締役常務執行役員 財務管理ユニット本部長

    越光 滋

    大学卒業後、上場製薬メーカーの総務部で株式事務を10年担当。 その後、海外子会社で4か国/延べ14年の海外駐在と国内財務部門に勤務。 その間3度の企業合併を経験し国内外で事業運営とアドミ業務を習得。 途中、他の製薬メーカー海外事業本部長を経て当社入社後は経営企画室でIPOを担当。 2025年1月より現職。

  • クリニファー株式会社 財務管理ユニット 財務会計チーム長

    木下 裕也

    専門学校卒業後、税理士事務所で経験を積み、その後はグループ企業含む4社の事業会社で経理業務に従事。 前職の組織体制の変更に伴い、スキルアップのため2024年10月にクリニファーへ入社後は、経理業務及び会計監査対応を担当。

  • ブリッジコンサルティンググループ株式会社 コンサルティング事業本部 総合コンサルティング5部(関西) 部長/大阪事務所長

    岡田 勇輝

    有限責任あずさ監査法人に10年以上勤め、おもに監査業務と株式上場支援業務に従事する。また、デューデリジェンスやシステム導入支援などの多様なコンサルティング業務も経験。 2020年、ブリッジコンサルティンググループ株式会社に入社。IPO準備企業を中心に、決算開示、IFRS導入、FAS業務(デューデリジェンス・株価算定など)、内部監査、J-SOX対応など、幅広い支援を担当。これまでに多くの企業をIPO達成に導く。 変化を恐れずに現状打破を続ける企業に寄りそい、共に成長するために、固定観念にとらわれない本質的な価値提供をめざす。モットーは「成長こそが幸せである」。

Interview

上場を目指した背景と主幹事選定の経緯

──今回TPM上場を達成されましたが、御社のような歴史ある会社が上場を目指すようになったきっかけを教えてください。

戸田 晃平氏 実はクリニファーという会社の下に約73年の歴史のある光成薬品という会社があり長年BtoBビジネスを貫いたおかげか業界での知名度はかなりありました。そういった背景から、資金面では余裕がありましたが一般的な知名度があまりなく、人材採用について苦戦していました。 そのため、会社の知名度を向上させ、採用力を強化することを中心としてTPM上場を目指しました。

──知名度向上が主な目的だったのですね。J-Adviserとしてフィリップ証券様を選定されたと思いますが、どのような形で接点をお持ちになられたのでしょうか?

戸田 さおり氏 株式会社プロネクサス様からの紹介となります。 「上場を目指している」という相談をした際にTPMという市場があると教えていただき、TPM上場にあたってはJ-Adviser(※)資格を保有する企業と「J-Adviser契約」の締結が必要であり、当該業務について実績のあるフィリップ証券様を紹介いただきました。 ※J-Adviserは、TPM上場前の上場適格性の調査確認や上場後の適時開示の助言・指導、上場維持要件の適合状況の調査を実施することができる。なお、ブリッジコンサルティンググループ株式会社(以下、BCG)も2025年9月1日にJ-Adviser資格を取得した。

Interview

上場準備を進める上での課題とBCGによる支援を決めた理由

──コンサルティング会社を利用しようと考えられた背景やBCGと契約した決め手について教えてください。

戸田 晃平氏 上場を目指すにあたり事業は順調に伸びていましたが、管理部門の人員が不足していること、また、上場するために必要な体制が分かっていなかったので専門家からのアドバイスを求めていました。

戸田 さおり氏 コンサルティング会社の選定にあたっては、もう1社お話を聞かせてもらいました。 比較する中で、BCGはTPM上場したという実体験があり、体制作りから参考にさせていただけるのではないかと思い、契約しました。

Interview

上場準備の中で苦労した点

──上場を目指すにあたって、これまでなかったガバナンス強化の点で大変だったことはありましたか?

越光氏 これまで創業家で経営をやってきたという面から関連会社取引の解消はかなり大変でした。稟議制度についても、以前から稟議書はありましたが完全網羅されているものではなく、また紙ベースの文化でした。情報管理アプリを導入しましたが、稟議という文化が根づくまでは社内において多少の戸惑いはあったと思います。 とはいえ、絶対に上場するんだという経営からの意思を社員へ伝えていたので、その気持ちを社員が理解して仕組みの浸透が進んでいったと思います。 また、会社自体がDXを推進する事業を行っているので、システム化への抵抗感は最小限に抑えられたと思います。

Interview

外部専門家を活用してみて良かった点

──実際に外部専門家としてBCGを活用して、良かった点はありますか?

越光氏 一番良かったと感じたのは伴走力です。IPO準備は我々のような未経験者だけではできないことが多いため、BCGへ支援を依頼させていただきましたが、単に外注的にやるのではなくて、我々の成長を期待して指導いただけた点が良かったと感じています。

BCG岡田氏 伴走力の例として、毎週のように定例会議を実施し各種相談に乗ることや、その都度作業をしたことが挙げられます。クライアントと支援者という表面上の関係性を超え「会社のメンバーの一員」のように支援するスタイルを徹底しました。 その結果、私を含め関与したパートナー会計士(※)全員をクリニファー社の上場祝賀会にご招待いただくなど、単なる外部アドバイザーではなく、上場というゴールをともに目指し、走り切った「仲間」として認めていただけたことを、強く実感しました。 ※パートナー会計士:BCGと業務委託契約を結んでいる公認会計士等。同社が運営するワーキングプラットフォーム「会計士.job」には6,000名以上のプロフェッショナル人材が登録しており、顧客企業の課題解決に適した公認会計士らが各プロジェクトにアサインされる。

越光氏 また、当時の体制において、そもそもIPO準備以前の問題として管理部門のリソースが不足しており日常の経理業務もままならなかった状態でした。 そんな中、BCGには支援の範囲を超えて経理業務の支援もしていただきとても助かりました。

──人材不足の中での実務支援は確かに重要ですね。経理業務というのは具体的にどういった業務でしたか。

越光氏 月次決算業務レベルで非常にピンチな時期がありました。その中でも上場のことも進めないといけないということで、BCGには上場準備支援はもとより月次決算業務においても支援いただきました。 契約外であろうというようなこともいろいろと対応いただき、何とか乗り切れたと感じています。

──実際に経理業務を担当された際、どのような点でBCGの支援が役立ったと感じましたか?

木下氏 私自身は2024年10月に入社したのですが、当時一番驚いたのが人手不足だったことです。派遣の方1名のみで、税務会計ベースの決算を何とか維持しているような状況でした。 開示レベルの決算業務を行う余裕はなく、私自身も開示資料である連結精算表、キャッシュフロー計算書については学習していましたが、実務では未経験だったので、BCGからフォーマットをいただき指導もしていただきました。

Interview

最後に

 

──今後の事業展開について教えてください。

戸田 晃平氏 事業は国内向けと海外向けがあります。国内については『光成マーケット』というBtoBの卸売りをしており、広域卸としてのマーケット10兆円という巨大な市場において、DXを活用した新たな流通の選択肢を提供していきたいと考えています。 また、海外はより大きなマーケットがあるので、『Synapse』というプラットフォームをどんどん機能強化していき、事業を伸ばしていきたいと思っています。

──国内外で大きな展開を考えられているんですね。事業展開するにあたって、それぞれ課題やテーマはありますか?

戸田 晃平氏 今回の上場にあたってBCGのご指導もあり、管理体制面はかなり整備されました。そのため今後はお客様のニーズに応えるべく、取り扱い商品のラインナップをより充実させていきたいと考えています。 また、医薬品流通をデジタルでより円滑にするためのオンライン機能を追加していくために、プロダクトをさらにブラッシュアップし強化していきたいと考えています。

──本日は貴重なお話をありがとうございました。

 

※記事内容は、インタビュー実施時期に基いて作成しているため、会社名・役職等にその他一部の内容が現時点と異なる場合もあることをご了承下さい。

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