
株式会社GENDA
アミューズメントやカラオケを展開する総合エンタメ事業
株式会社GENDAのロールアップM&Aを支える外部専門家支援
ソニーグループからスピンアウトし、その後上場を果たしたミーク株式会社(以下、ミーク社)。CFOの安井氏、共にIPO準備を牽引した根本氏に、ソニーグループからの独立の経緯や上場準備の過程で直面した課題、外部コンサルタントの活用について伺いました。
ミーク株式会社 執行役員CFO
安井 允彦
アンダーソン・毛利・友常法律事務所、JPモルガン証券株式会社、ソニーグループ株式会社、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社にて、主にM&A、キャピタルマーケッツ(IPO、グローバルオファリング等)、経営企画業務に従事した後、ミーク社入社。旧司法試験合格(59期)、ニューヨーク州弁護士。
ミーク株式会社 経営企画本部IR担当
根本 拓斗
大学卒業後、上場企業の管理部門にて総務・労務などバックオフィス業務を幅広く経験。その後、IR業務に3年間従事し、東証JASDAQから東証二部、さらに東証一部への市場変更を経験。2022年よりミーク社に入社し、IPO準備を経てIR業務を担当。
ブリッジコンサルティンググループ株式会社 リスクマネジメント事業3部 シニアマネージャー
佐藤 理沙
事業会社にて内部統制体制構築・評価業務に携わった後、大手監査法人にて監査業務に従事。出産を機に今後のキャリアを考えた際、監査法人と事業会社での経験を生かし自身の思い入れが強い内部統制構築支援で多くの人の役に立ちたいと思い2019年当社へジョイン。 入社後は内部統制構築支援だけでなく、内部監査や決算開示支援、IPO支援等、上場非上場を問わず幅広い支援に従事している。
ブリッジコンサルティンググループ株式会社 提携パートナー / 公認会計士
平井 真悟
日立製作所に営業職として勤務した後、早稲田大学大学院にてMBAを取得、在学中に公認会計士試験合格。卒業後はPwC、Deloitteで会計監査人・コンサルタントとして経験を積み、2020年に独立。 現在は上場会社や上場準備会社に対する内部管理体制構築・内部統制・内部監査支援を中心にサービスを提供している。ブリッジコンサルティンググループ株式会社の提携パートナー会計士としても活動中。
Interview
安井氏 当社のサービスは、MVNEサービス※とIoT/DXプラットフォームサービスの2つがあります。元々MVNEサービスをソニーグループであるソニーネットワークコミュニケーションズの中で行っており、このMVNEサービスをIoT向けに転用して事業を伸ばしていくために、2019年にソニーネットワークコミュニケーションズからMVNEサービスがカーブアウトされる形で独立しました。 その後様々な会社と実際に資本提携を行い、2025年3月に上場に至りました。 ※MVNOにネットワーク及び業務システム、業務支援等を提供するサービス
──MVNEサービスをカーブアウトされた理由を教えてください。
安井氏 当時、格安SIM事業者向けサービスだったMVNEサービスの市場成長が緩やかになってきた状況にありました。 そのため、さらに事業を伸ばしていくには次の展開が必要というなかで、IoT向けサービスの展開が自社の強みを生かすことができ、かつ市場としても伸びていく領域だと考えて、MVNEサービスをカーブアウトして新しい市場へアプローチすることとなりました。
──ミーク社は設立当初から上場を目指していたのでしょうか?
また、具体的に上場準備を始めようと決断したのはどのようなタイミングだったのでしょうか?
安井氏 設立段階から、将来的に上場を目指すことが計画されていました。 なお、設立当初から上場は考えていましたが、新しい事業を進める上で、ソニーグループ以外とも資本提携できるようにすることで事業の可能性が広がると考えていました。 一方で、設立時点ではコーポレートの業務をソニーグループに依存しておりましたので、まずはコーポレートの業務を自社で独立して行うことのできる状態にしないことには、上場準備は難しいと考えていました。 そのため、コーポレート業務の独立が進んだ上場の3年程前に監査法人に予備調査に入って頂き、本格的に上場準備をスタートしました。
Interview
──IPOコンサルティングを活用しようと考えたきっかけや、BCGに依頼することになった経緯を教えてください。
安井氏 当時の社内コーポレートメンバーは、IPO準備の経験はありませんでした。IPO準備には一時的なリソースが必要となること、最初の方向性を間違えると軌道修正にさらにリソースが必要となることから、早い段階から外部支援が必須だと考えていました。
──BCGを選んだ決め手を教えてください。
根本氏 以前の職場で外部コンサルタントにお世話になっていた際に、BCGの創業者とお付き合いがありました。ミーク社に転職した時に、思い出して連絡したところ、BCGを含む3社を紹介していただきました。
安井氏 BCGを選んだ決め手は、業界トップクラスの実績があることと、支援内容に応じて柔軟にプランを組んでくれるところでした。 当社メンバーのスキルセットに合わせて、足りない部分を的確にサポートしてもらえるような柔軟性が重要でした。
Interview
──内部統制構築支援からのスタートでしたが、当時の会社の状況はどのようなものでしたか?
安井氏 当初は会社ができたばかりで、業務フロー自体もしっかりと決まっていない状況でした。 BCGに何度もヒアリングをしていただいて業務フローを作成しましたが、事業や組織が成長する中で、業務フローの文書が出来上がる頃には実際の業務内容が変わっているような状況で、アップデートが大変でした。 また、上場準備の段階では、体制構築にどの程度の工数や負担がかかるのかわからない状況でした。 そのためBCGのサポートを受けながら、業務への理解を深めつつ、各々の体制整備の目的を自分たちでしっかり設定していきました。
──支援をするなかで、ミーク社と他社とで違いを感じた部分はありますか?
BCG平井氏 多くの企業では、上場準備の過程で社内調整や内部管理体制の整備にあたり、関係者のモチベーション維持に課題を抱えるケースが少なくありません。 その点ミーク社では、CFOの安井さんが自ら先頭に立ち、調整や意識づけに積極的に取り組まれていました。そのリーダーシップによって現場の皆さまの協力体制が自然と整い、私たちコンサルタントも非常にスムーズに支援を進めることができました。 経営層の主体的な関与と現場の一体感の高さは、他社と比べても際立った特徴だと感じています。
──業務フローや3点セットなどの内部統制の仕組みを社内に定着させていくのは大変でしたか?
安井氏 社内でそういった仕組みをきちんと運用していくマインドセットを作るのには時間が必要でした。 当初は業務フローや3点セットの通りに業務を行うという意識の浸透に苦労することもありましたが、上場準備を通じて、業務フローや3点セットの通りに業務を行う文化が根付いたように感じています。
Interview
──内部統制に関して監査法人とのやり取りで、難しかった点はありましたか?
安井氏 当社内に監査法人の経験者がおらず、監査法人が何を求めているのかを理解することが難しい場合もありました。 そんな中、平井さんが先回りして対応してくださったところが非常に助かりました。
──監査法人とのやり取りで心がけていたことはありますか?
安井氏 最初の頃は、監査法人からの指摘に対して、当社視点での事業上の必要性や実情に応じた柔軟な対応策を、うまく自分たちで考え出すことができませんでした。 しかしBCGのサポートを受けながら、監査法人の問題意識を踏まえつつ、自分たちにあった手段をとることができるということがわかってきました。 監査法人の問題意識それ自体をよく理解することが大事だと感じました。
Interview
根本氏 当社の規定などを整備していく際、基本的には、ソニーグループの子会社としての規定をベースにしていました。 ソニーグループから独立性が高まる中で、グローバルな大企業であるソニーグループと当社の現状との違いも踏まえて、当社としてはどのような規定であるべきかについて、社内のメンバーだけでは判断が難しい場合もありましたが、外部専門家としてBCGが他社事例も踏まえながら実効性のあるアドバイスをしてくれた点が良かったです。
──上場後の内部監査について、今後どのように進めていく予定ですか?
安井氏 今後は、より重点的なテーマを絞った内部監査にシフトしていきたいと考えています。 BCGには、より業務に深く踏み込んだ監査の支援をお願いしたいですね。
──今後、管理部門の領域で外部リソースの活用をどのように考えていますか?
安井氏 現在、間接部門全体をリーンに運営する中で、業務改善を進める時など一時的に工数がかかる場合、当社にないノウハウや専門性が必要な場合などに、引き続きBCGのご支援をお願いしたいと考えています。 内部監査やJ-SOXの支援も継続的にお願いしながら、業務改善の相談もさせていただいているので、すごく安心感を持って相談できる関係性ができていると思います。
──本日は貴重なお話をありがとうございました。
※記事内容は、インタビュー実施時期に基いて作成しているため、会社名・役職等にその他一部の内容が現時点と異なる場合もあることをご了承下さい。
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