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CFOなら知っておきたい決算開示人材の見極めポイント

決算開示業務が上手くいかない理由には様々ありますが、業務と人のミスマッチというのは大きな理由の一つです。社外から決算開示人材を採用する場合に、どういったことに注意しておけばミスマッチを防げるのでしょうか?この記事ではその見極めポイントを紹介します。

1. 日商簿記2級以上の資格は欲しいところ

どこの会社の決算開示実務でも必要となる知識を日商簿記検定の資格の有無で測ることができます。決算では棚卸資産を確定させたり、減価償却費を計上したりといった決算整理仕訳を入力することが必要です。自社で入力する全ての決算整理仕訳の知識をあらかじめ持った人材である必要はありませんが、ある程度は持っておくことが必要と考えます。

また、製造業(自社で調理している飲食店業なども含む)では原価計算が必要となりますので、日商簿記3級では不十分で、2級以上の資格が欲しいところです。また、連結財務諸表作成に携わる人材が欲しいということであれば、日商簿記1級の資格があると安心です。

2. 他部署等とやり取りできるコミュニケーション能力は必要

決算開示実務の実務作業では、Excelや会計ソフトに向き合う時間が長いですが、他部署等とやりとりできるコミュニケーション能力が必要です。 決算開示業務は1人ではできません。チームを組んで業務を進めますので、チームメンバーと処理方法を議論したり、進捗状況を確認し合ったりすることが必要で、こういった意味でコミュニケーション能力は大切です。

また、財務部等の決算開示部門だけに決算開示に必要な情報があるわけではありません。販売部門、購買部門、法務部門、人事部門など、様々な部署に決算開示に必要な情報が散らばっています。決算開示部門はこれらの情報を収集する必要があります。また、決算短信は決算日から45日以内に開示する必要があり、決算開示部門が設定した締切日までに資料やデータを提出してもらわなければなりません。そして、あらかじめ提出してもらった資料では不十分で決算開示部門からの問い合わせに対応してもらったり、追加の資料を提出してもらったり、各部門に協力してもらう必要があります。こういった対応を適切に円滑に行うためにコミュニケーション能力が必要です。

面接でこういったコミュニケーション能力は、面接官からの質問に対して、適切に回答しているかどうかをチェックすることにより確認できます。コミュニケーション能力が欠けている方は、ポイントのずれた回答をしますので、すぐにわかります。

3. 会社に何が起こっているかを把握するために分析的思考力・問題解決能力が必要

決算開示で他部署から送付されてくる資料やデータが毎期同じ傾向を示し続けるということはありません。ある時に突然、これまでとは全く異なる異常値のような資料と遭遇します。そういった場合に決算開示部門の担当者はその資料が先方のミスで間違ったものなのか、資料は正しいが、これまでの会計処理方法は適切でないため、別の会計処理方法を取る必要があるのか、今まで通りの会計処理をしていくのか、といったことを考える必要があります。

しかし、これから採用する決算開示人材がこういったことを考える能力が欠けていたとすると、直属の上司やCFOが毎回他部署から送付されてくる資料をレビューしないといけないということになり、人材採用の効果が半減してしまいます。

この観点の面接時のチェック方法ですが、面接者にイレギュラーなことに遭遇した際にどのように対応したか、体験談を聞いてみるのがよいでしょう。

また会計処理後の勘定科目の金額の前年同期比較をすることにより、その増減内容を理解し文章化できる力があることも望ましいでしょう。取締役会等、社内で決算内容を報告する場面では前年同期との比較で大きく変動している勘定科目についてはその増減内容を説明することと思います。担当者が適切に増減内容を文章化していれば、CFOはわざわざ担当者に質問する時間を設ける必要がなく、時間の無駄が無くなります。

この観点を面接時にチェックするには、「決算内容を取締役会で報告する。どのように決算内容を説明するか。」といった質問をしてみるのがよいでしょう。回答の中で前年と比較する、増減の大きい項目について増減内容を説明するといったことが出てくれば、この点はよいのではないかと考えます。

4. 決算開示の実務経験は3年以上あることが望ましい

4つ目のポイントは実務経験です。決算開示は月次決算と比べ、処理量が格段に多く、質の違う処理の仕事が多数あります。決算開示実務1年目は何がわからないかさえもわからないが周りの人に助けてもらいながら実務を完了させ、2年目はわからないことが明確になり、そのことは周りの人に助けてもらって実務を完了させるものだと思います。そして、3年目については、今まで経験したことがない会計事象以外は基本的に自分で対応して実務を完了させるものだと思います。ですので、決算開示実務を3年経験している人材であれば、新しい環境でも比較的短期間で順応していくでしょう。

なお実務経験確認の上での補足ですが、これまで経験してきた勘定科目、注記についても職務経歴書に書いてもらうようにすれば尚良いと考えます。勘定科目、注記ごとに難易度に差があり、これから採用している人の実力を測ることができ、採用後に任せる実務のイメージがつくからです。

5. まとめ

決算開示人材の見極めポイントということで、履歴書や職務経歴書で確認できる「資格の有無」「決算開示の実務経験」、面接で質問することにより確認できる「コミュニケーション能力」「分析的思考力・問題解決能力」の合計4点を挙げました。このような点について、決算開示人材の採用を進めて頂ければ幸いです。