日本No.1の会員数を誇る公認会計士ネットワーキングによる業界最高水準のテクノロジーを駆使した経営管理支援サービスをご提供致します。

申し訳ございませんが、本サイトはお使いのブラウザでは正常に動作いたしません。
Microsoft EdgeGoogle ChromeFirefox等をご利用ください。

決算早期化を実現するための最重要ポイント

決算早期化はどんな会社でも求められていることだと思います。また、決算作業に従事している方々自身も負荷のかかる決算作業を早く終わらせたいと思っているはずです。決算業に従事している方々に役に立つ「決算早期化を実現するための最重要ポイント」を解説していきます。

1. 繰越作業等、決算月でできることはやってしまう

上場企業が決算報告のために作成する必要のある決算短信、四半期報告書、有価証券報告書は前期との比較形式になっています。上場企業でよく使われている宝印刷やプロネクサスの開示支援サービスを使えばある程度は自動的に繰越作業が実施されますが、手で繰越作業をしなければならないことがあります。繰越作業は前年等の数字が確定しているので、決算残高が確定していない決算月にも実施は可能です。

また、毎四半期ごとに作成している決算資料のほとんどはExcelで作成されているのではないでしょうか?これらについても、前年や前四半期の数字を入れる場所があるはずで、こちらも決算月に入力しておきます。

そして、決算日にならなくても決算日時点の残高が確定できる科目があれば、決算月に決算資料を完成させておきます。会社によって科目は様々だと思いますが、例えば、退職給付引当金や賞与引当金は決算日前でも残高を確定できるのではないでしょうか?

2. 税金税効果計算や注記に必要な情報を各部署から集める仕組みを作る

税金計算に際して課税所得を算定するためには、会計仕訳から読み取れない有税処理すべきものの抽出を行わなければなりません。有税処理とは会計上は費用処理しているが、税務上は費用処理できないため、加算処理をするもののことを指します。

例えば、役員報酬は会計上は毎月いくら計上しても問題ありませんが、税務上は毎月同額になる部分しか費用にならず、同額部分を超える部分は加算する必要があります(これを税務の用語で「定期同額給与」)と言います。)。この役員報酬の例は永久差異といい、どんなことがあっても税務上損金になることはありません。

一方、決算日時点では税務上の費用にはならないが、次の年度等には費用になるものがあります。例えば、賞与引当金は計上時点では税務上の費用にはなりませんが、実際に賞与を支払い、賞与引当金を取り崩した時点で税務上の費用になります。このようなものを一時差異と言います。上場企業ではこの一時差異に対応した繰延税金資産を計上する必要があり、この繰延税金資産の金額は当該一時差異がいつ、どれだけ取り崩される予定になっているか(スケジューリング)ということと関係があるため、会計仕訳ではわからないスケジューリング資料が必要です。

こういった税金税効果計算に必要な情報は、経理部門の手元に全部あるわけではなく、社内の至るところに散らばっています。また、有価証券報告書等で開示する注記情報についても同様です。退職給付債務や年金資産については細かい事項の注記が要求されていますが、多くの情報は経理部門ではなく、人事部門にあるのではないでしょうか?

税効果税金計算や注記作成に必要な情報が正確・迅速に経理部門に集まる仕組みを作成することが決算早期化につながります。経理部門がやるべきことは必要な情報を各部門が正確・迅速に入力できるようなフォーマットを作成し、決算作業に待ちが生じないタイミングで回答がもらえるように依頼しておくことです。

3. なるべく早く取締役会議事録や稟議書に目を通して対応する

取締役会議事録や稟議書はこれから発生する会計事象の宝庫です。なるべく早くこれらの書類に目を通すことが決算早期化のために重要です。監査法人が決算監査中に取締役会や稟議書に書いてある事項について、会計処理の修正を求めてくるようなことになれば、決算早期化どころではありません。

逆に難解な会計事象の発生も早く気づけば社内で検討する時間が十分とれますし、監査法人に決算前に相談して処理方法を決めることができ、決算早期化の懸念事項が消えることになります。

4. 役割分担の明確化とスケジュール管理の徹底

この記事をお読みの皆様は、これまで仕事に限らずプライベートでも、様々なプロジェクトを経験してきたことと思います。その中で上手くいったと感じるプロジェクトはここで紹介するポイントである「役割分担の明確化とスケジュール管理の徹底」ができていたのではないでしょうか?

では、決算早期化というテーマに沿って解説します。決算短信を何月何日に開示するというのがまずは決まるはずなので、そこから逆算して日々、決算メンバーの誰が何をするのかを細かく決めて決算スケジュール表を作成します。役割分担を決める際には、個々人の作業が重複せず、分担があいまいで誰もやらない部分が出ないようにすることが大切です。取組む決算で初めて行う作業以外は、前期の決算ファイルを個々人に割り当てて、更新させるのがいいです。また日々決算メンバーの進捗状況を確認し、進捗状況が良い人が芳しくない人を手伝うように指示していくことも大切です。

また、決算監査中に監査法人から突発的に資料の提出を求められることもあるかと思います。資料の提出が求められた決算メンバーがその資料の準備をしがちになりますが、資料の提出が求められたことを決算メンバー全員で共有し、余裕のある人が用意した方が決算早期化につながります。

5. まとめ

決算早期化を実現するためのポイントを解説してきました。最後のポイント以外は決算作業前にできる事前準備です。事前準備に時間を使って決算早期化を進めましょう。