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上場会社に求められる決算開示スケジュール

期日通りに進めることが求められる決算開示。本記事では決算開示においてのスケジュール感をご説明いたします。なお、本記事は決算日を3月末とした会社を前提として記載しました。ご自身の会社が決算日が異なる場合は適宜読み替えして頂ければと存じます。

1. 決算開示の大まかなスケジュール

決算日である3月31日を過ぎてからは以下のプロセスで進みます。

  • ①単体の数字を固める
  • ②連結の数字を固める
  • ③決算短信の作成、公表
  • ④計算書類・連結計算書類の作成、承認
  • ⑤株主総会の招集通知作成、発送
  • ⑥有価証券報告書の作成
  • ⑦株主総会
  • ⑧有価証券報告書の公表

次の章では各項目を具体的に見ていきます。

2. スケジュールの詳細な説明

①単体の数字を固める

3月31日時点で貸借対照表の各勘定科目の残高がいくらかを決定します。貸借対照表の残高を確定していくと、基本的に損益計算書の金額も決まってきます。 その後で消費税の計算をします。消費税の計算が終わると、期中に計上されていた仮払消費税や仮受消費税がゼロになり、税引前当期純利益が確定します。確定した税引前当期純利益を基にして法人税の計算を行い、税引後当期純利益を確定します。

②連結の数字を固める

単体の数字は連結財務諸表を構成する親会社・子会社全てで行われます。親会社は子会社から確定試算表をもらうとともに、連結パッケージを受領します。試算表以外に連結財務諸表作成に必要な情報をまとめたものが連結パッケージです。単体試算表、連結パッケージを活用して、連結修正仕訳を切り、連結財務諸表を確定します。

③決算短信の作成・公表

株式を東京証券取引所、大阪証券取引所などの証券取引所に上場している会社は、各証券取引所の適時開示ルールに則り、共通形式の決算速報を作成しなければなりません。これを決算短信と言います。

例えば、東京証券取引所の決算短信・四半期決算短信作成要領 (https://www.jpx.co.jp/equities/listed-co/format/summary/index.html)によりますと、決算期末後45日以内に決算短信を公表しなければなりません。決算日が3月31日ですと、決算短信は5月15日までに提出しなければならないことになります。

④計算書類・連結計算書類の作成、承認

会社法435条2項にあるように、株式会社は各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書、株主資本計算書及び個別注記表)を作成しなければなりません。また、会社法444条1項、3項より、上場会社かつ連結財務諸表作成会社は各事業年度に係る連結計算書類(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結株主資本等変動計算書及び連結注記表)を作成しなければなりません。連結決算を開示する上場会社は計算書類・連結計算書類のどちらも作成する必要があります。

そして、計算書類・連結計算書類は会計監査人の監査を受けて、会計監査人から監査報告書の提出を受けたうえで、取締役会の承認を得る必要があります。この後に続く有価証券報告書の提出期限が上場会社では決算日後3か月以内と定められているため、実務的には5月末までに取締役会の承認を得るようにしている会社がほとんどです。

決算短信の提出期限との時間差は最大でも2週間程度しかないため、決算短信・計算書類・連結計算書類はほぼ同時並行で作業を進める会社が多い印象です。決算開示に携わる部署が最も疲弊する時期です。

⑤株主総会の招集通知作成、発送

会社法299条1項にあるように、株主総会を招集するには、株主総会の開催日の2週間前までに招集通知を発送しなければなりません。多くの上場会社が株主総会後に有価証券報告書を提出し、有価証券報告書の提出期限が決算日後3か月以内であることを考えると、6月第2週には招集通知を発送しておく必要があります。

⑥有価証券報告書の作成

有価証券報告書とは、金融商品取引法で規定されている、事業年度ごとに作成する企業内容の外部への開示資料です。上場会社は全ての会社が作成することが義務づけられています。

決算短信、計算書類、連結計算書類は分量が少ない会社ですと、十数ページの会社もありますが、有価証券報告書は分量が少ない会社でも100ページ近くになり、非常にボリュームのある資料で、作成に時間がかかります。しかし、決算短信、計算書類、連結計算書類の作成が終わった5月下旬から6月中旬の長い時間をかけて作成するので、時間的には余裕があります。

⑦株主総会

有価証券報告書の作成が終わった後は株主総会の準備です。株主総会で株主から受ける質問事項を想定したうえでのリハーサルをしたうえで、本番の株主総会に臨みます。

⑧有価証券報告書の提出

株主総会前に有価証券報告書は提出可能ですが、多くの会社が株主総会後に有価証券報告書を提出しています。

まとめ

以上のように決算開示の業務は決算数値を出すだけにとどまらず、経営陣との密なコミュニケーションを経て、投資家に広く開示されるものです。前倒し、及び同時並行で業務を進めてスムーズな決算開示を目指しましょう。