M&Aを成功に導く相談先選びの鉄則。選び方のポイントと各機関の特徴を解説

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M&Aを成功させるためには、適切な相談先の選定が極めて重要です。しかし、M&A仲介会社、金融機関、士業、公的機関など多様な相談先が存在するため、どこに相談すべきか迷われる経営者の方も多いのではないでしょうか。 

本記事では、M&Aの主な相談先の種類とそれぞれの特徴、メリット・デメリット、選び方のポイントを詳しく解説します。自社に最適な相談先を見つけて、納得のいくM&Aを実現するための参考にしてください。 

M&A相談先の主な種類

M&A仲介会社は、M&A全体のプロセスをサポートする専門機関です。金融機関は資金面でのアドバイスと幅広いネットワークを持ちます。公認会計士・税理士は財務・税務の専門知識を活かした支援を行います。弁護士は法的リスクの回避と契約書関連業務を担当します。事業承継・引継ぎ支援センターは公的な無料相談窓口として機能します。商工会議所・商工会は地域密着型の支援機関です。 

以下では、それぞれの相談先について詳しく解説します。 

M&A仲介会社

M&A仲介会社は売り手企業と買い手企業の間に立ち、円滑に交渉を進めてM&A成約まで導きます。 

M&A仲介会社の最大の特徴は、相手企業探しから交渉、契約締結、クロージングまでワンストップで支援できる点です。企業価値評価(バリュエーション)、デューデリジェンスのコーディネート、契約書作成、PMIM&A成立後の統合プロセス)支援まで、M&Aに必要な業務を包括的にサポートする会社もあります。 

多くの仲介会社は独自のネットワークとデータベースを持っており、希望条件に合った相手企業を効率的に探すことができます。M&Aの経験が豊富な専門家が担当するため、初めてM&Aを行う企業でもスムーズに進行できます。 

金融機関

銀行や証券会社などの金融機関もM&Aの相談先として選択肢に入ります。特に多くのメガバンクや地方銀行では、M&A専門部署を設置しています。 

金融機関の強みは、豊富な取引先ネットワークと資金調達に関する専門知識です。長年の取引関係で培った企業情報を活用して、マッチング相手を紹介できます。買収資金の融資が必要な場合は、資金調達の相談も同時に進められるメリットがあります。 

取引銀行であれば自社の財務状況を把握しているため、相談しやすい関係性がすでに構築されています。また、必要に応じて税理士や弁護士などの専門家を紹介してもらえる場合もあります。 

ただし、金融機関によって得意とする規模は異なります。メガバンクは主に大型案件を扱いますが、地方銀行や信用金庫は中小規模のM&Aや事業承継にも対応しています。  

参考:金融機関におけるM&A支援の促進等について:金融庁

参考:中小企業の事業承継M&Aに係る動向と地域金融機関に期待される役割|日本総研

公認会計士・税理士

公認会計士や税理士は、財務・税務の専門家としてM&Aをサポートします。顧問税理士や会計士がいる場合は、すでに自社の財務状況を把握しているため相談しやすい相手です。 

公認会計士・税理士の主な役割は、企業価値評価、財務デューデリジェンス、税務デューデリジェンス、税務対策の立案などです。M&Aでは譲渡対価の算定や税金の計算が重要な要素となるため、これらの専門家の知見は欠かせません。 

財務諸表の分析を通じて、簿外債務や偶発債務などのリスクの洗い出しを行い、精度の高い調査が可能になります。また、M&A後の税務処理や税務の最適化についても適切なアドバイスを受けられます。 

ただし、すべての公認会計士・税理士がM&Aに精通しているわけではありません。相談する際は、M&Aの支援実績があるかどうかを確認することが大切です。 

弁護士 

弁護士は、M&Aにおける法的リスクの管理と契約関連業務を担当します。顧問弁護士がいる場合は、自社の事業内容を理解しているため相談しやすいでしょう。 

弁護士の主な役割は、秘密保持契約書(NDA)、基本合意書、最終契約書などの作成とレビュー、法務デューデリジェンス、法的リスクの洗い出しと対策立案、トラブル発生時の法的対応などです。 

M&Aでは複数の契約を締結する必要があり、契約内容に不備があると後々大きなトラブルに発展する可能性があります。法律の専門家である弁護士に契約書を作成・チェックしてもらうことで、法的リスクの低減を図ることができます。 

万が一、相手企業との間でトラブルが発生した場合も、弁護士であれば法的な観点から適切な解決策を提示できます。 

事業承継・引継ぎ支援センター

事業承継・引継ぎ支援センターは、後継者問題を抱える中小企業や小規模事業者を支援する公的機関です。全国47都道府県に設置されており、無料で相談できます。 

中小企業庁が設置した公的な支援機関であり、M&Aを含む事業承継全般について相談できます。事業承継の計画策定支援、後継者マッチング支援、M&Aマッチング支援、専門家の紹介などのサービスを提供しています。 

公的機関のため利害関係がなく、中立的な立場から客観的なアドバイスを受けられる点が大きなメリットです。小規模なM&A案件でも対応してもらえるため、規模の小さい企業でも相談しやすい環境が整っています。 

地域の金融機関や税理士、M&A仲介会社などと連携しており、必要に応じて適切な専門家を紹介してもらうことも可能です。 

商工会議所・商工会 

商工会議所や商工会は、地域の商工業者を支援する準公的な団体です。会員企業の経営相談に幅広く対応しており、M&Aに関する相談も受け付けています。 

商工会議所・商工会の強みは、地域密着型の支援と幅広いネットワークです。地域の中小企業との結びつきが強く、地元での事業承継やM&Aを検討している場合には有力な相談先となります。 

また、国や自治体が提供する補助金や助成金の情報にも詳しいため、M&Aに関連する公的支援制度についても相談できます。 

M&A相談先別のメリット・デメリット比較 

M&Aの相談先を選ぶ際は、それぞれのメリットとデメリットを理解したうえで、自社の状況に合った選択をします。 

以下の表は、主な相談先のメリット・デメリットを比較したものです。 

 
相談先 メリット デメリット
M&A仲介会社 ・M&A全体をワンストップでサポート
・豊富なマッチング実績とネットワーク
・M&A実務の専門知識と経験が豊富
・費用(着手金や成功報酬)が高額になりやすい
・双方の仲介を行うため、交渉において必ずしも自社有利とは限らない
金融機関 ・幅広い企業ネットワーク
・資金調達の相談も可能
・既存取引先なら相談しやすい
・大型案件中心で中小M&Aに非対応の場合あり
・最低手数料(ミニマムフィー)が高額な場合がある
・対応がスピーディーでない場合がある
公認会計士・税理士 ・財務・税務の専門的アドバイス
・顧問先なら自社の状況を把握済み
・妥当性のある評価が可能
・M&A全体のサポートができない場合がある
・マッチングのネットワークが限定的
弁護士 ・法的リスクの回避・予防(予防法務)
・法的に適正な契約書作成
・トラブル時の対応力
・M&A全体のサポートは難しい場合が多い
・時間単価等により相談料が高額になる場合がある
・マッチング機能は弱い
事業承継・引継ぎ支援センター ・無料で相談できる
・公的な立場からのアドバイス
・小規模案件も対応可能
・サポート範囲が限定的
・スピード感に欠ける場合がある
・複雑な案件は対応困難な場合がある
商工会議所・商工会 ・地域密着型の支援
・補助金情報の提供
・専門家紹介が可能
・M&A専門ではない
・サポート内容が限定的

それぞれの相談先について、詳しく見ていきましょう。 

M&A仲介会社のメリット・デメリット 

M&A仲介会社のメリットは、M&A全体のプロセスをワンストップでサポートできる点です。相手企業探しから企業価値評価、交渉、契約締結、クロージングまで一貫して支援するため、M&A経験のない企業でも安心して進められます。 

独自のネットワークとデータベースを活用して、希望条件に合った相手企業を効率的に見つけることができます。業界ごとの動向や過去の成約事例などの情報も豊富に持っており、適切な戦略立案が可能です。 

一方、デメリットとしては費用が高額になりやすい点が挙げられます。着手金、中間報酬、成功報酬など複数の費用が発生しますが、成功報酬については「レーマン方式」が採用されるのが一般的です。これは譲渡金額に応じて料率が段階的に下がる仕組みであり、すべての金額に対して一律5%かかるわけではありません。また、中間報酬は最終的な成功報酬の一部に充当されることが一般的である点も、あらかじめ理解しておく必要があります。 

また、仲介会社は売り手と買い手の間に立つ「中立」な立場です。双方の仲介を行うため、交渉において必ずしも自社有利に進むとは限らないという点には注意が必要です。 

参考:中小M&Aガイドライン | 中小企業庁

金融機関のメリット・デメリット 

金融機関のメリットは、長年の取引で構築した幅広い企業ネットワークを活用できる点です。多数の法人顧客を抱えているため、マッチング相手を探す際に有利に働きます。 

買収資金の融資が必要な場合は、M&Aの相談と資金調達の相談を同時に進められる点も大きなメリットです。既存の取引銀行であれば自社の財務状況を把握しているため、スムーズに話が進みます。 

デメリットとしては、金融機関の種類によって対応可能な案件規模や得意とする領域が大きく異なる点が挙げられます。例えば、メガバンク(都市銀行)では譲渡金額が数十億円から数百億円規模の大型案件を軸に扱うことが多く、小規模な案件は受け付けてもらえないケースが少なくありません。これに対して地方銀行(550億円規模)や信用金庫(15億円規模)は、地域の中小規模な案件にも柔軟に対応してくれます。 

また、M&A仲介会社同様、売り手と買い手双方の間に立って仲介を行うため、交渉において必ずしも自社に有利な条件ばかりが通るとは限らない点にも注意が必要です。 

公認会計士・税理士のメリット・デメリット

公認会計士・税理士のメリットは、財務・税務に関する高度な専門知識を活かしたサポートが受けられる点です。企業価値評価や財務デューデリジェンスでは、正確な分析と適切なリスク評価につながります 

顧問税理士や会計士であれば、自社の財務状況や事業内容を深く理解しているため、相談しやすい関係性がすでに構築されています。日頃から信頼関係があるため、経営判断についても率直に相談できます。 

M&A後の税務処理や節税対策についても、専門家ならではの適切なアドバイスを受けられます。譲渡所得税の計算や、事業承継税制の活用など、税務面での最適化が図れます。 

デメリットは、すべての公認会計士・税理士がM&A全体のプロセスをサポートできるわけではない点です。財務・税務に関する支援は得意でも、相手企業探しやマッチングのネットワークは限定的な場合があります。 

M&Aの支援実績が豊富でない場合、交渉戦略の立案や契約条件の調整などで十分なサポートが受けられない可能性もあります。 

弁護士のメリット・デメリット

弁護士のメリットは、法的リスクを低減できる点です。M&Aでは秘密保持契約、基本合意書、最終契約書など複数の契約を締結しますが、これらの契約書に不備があると大きなトラブルに発展する可能性があります。 

弁護士に契約書の作成やレビューを依頼することで、法的に問題のない契約を締結できます。契約条件の交渉においても、法的な観点から適切なアドバイスを受けられます。 

万が一、相手企業との間でトラブルが発生した場合も、弁護士であれば訴訟を含めた法的対応が可能です。顧問弁護士がいる場合は、自社の事業内容や経営方針を理解しているため、スムーズに相談できます。 

デメリットは、M&A全体のプロセスをサポートできる弁護士は限られている点です。法務面での支援は得意でも、企業価値評価や財務分析、相手企業探しなどは専門外となります。 

事業承継・引継ぎ支援センターのメリット・デメリット

事業承継・引継ぎ支援センターのメリットは、公的機関のため無料で相談できる点です。利害関係がないため、公正中立な立場から客観的なアドバイスを受けられます。 

全国47都道府県に設置されているため、地方の企業でも利用しやすい環境が整っています。小規模なM&A案件でも対応してもらえるため、民間の仲介会社では受け付けてもらえない規模の案件でも相談できます。 

地域の金融機関や士業、M&A仲介会社との連携体制も構築されており、必要に応じて適切な専門家を紹介してもらえます。事業承継やM&Aに関する基礎的な知識を学ぶ場としても活用できます。 

デメリットは、サポート範囲が限定的である点です。基本的な相談やマッチング支援は受けられますが、複雑なスキームの案件や高度な専門知識が必要な場面では、民間の専門家に依頼する必要があります。 

公的機関のため、意思決定や対応にスピード感が欠ける場合があります。迅速にM&Aを進めたい場合は、民間のM&A仲介会社の方が適している場合もあります。 

商工会議所・商工会のメリット・デメリット 

商工会議所・商工会のメリットは、地域密着型の支援が受けられる点です。地域の中小企業との結びつきが強く、地元での事業承継やM&Aを検討している場合には有力な相談先となります。 

会員向けのサービスが充実しており、経営相談全般について幅広くサポートしてもらえます。国や自治体が提供する補助金や助成金の情報にも詳しく、M&Aに活用できる公的支援制度について教えてもらえます。 

事業承継・引継ぎ支援センターや地域の専門家との連携も強いため、必要に応じて適切な支援機関や専門家を紹介してもらえます。定期的な勉強会やセミナーも開催されており、M&Aに関する知識を学ぶ機会も提供されています。 

デメリットは、基本的に会員向けのサービスであるため、会員でない場合は利用しづらい点です。入会には会費が必要であり、商工会議所では年間数万円程度の費用がかかります。 

また、M&Aを専門としているわけではないため、高度な専門知識が必要な場面では十分なサポートが受けられない可能性があります。サポート内容も相談や情報提供、専門家紹介が中心となり、M&A全体のプロセスを直接サポートしてもらうことは難しい場合があります。 

M&A相談先の選び方のポイント 

M&Aの成功には、自社に最適な相談先を選ぶことが重要です。相談先選びで失敗すると、期待する成果が得られないだけでなく、貴重な時間と費用を無駄にしてしまいます。 

相談先を選ぶ際は、以下の6つのポイントを押さえて総合的に判断することが大切です。 

ポイント1M&Aの目的と規模に合った専門性があるか

相談先を選ぶ際、自社のM&Aの目的と規模に合った専門性を持っているかどうかを確認します。M&Aの目的は企業によって異なり、事業承継、事業拡大、業界再編への対応、経営資源の獲得などさまざまです。 

相談先によって得意とするM&Aの規模や業種、スキームは異なります。たとえば、金融機関は大型案件を得意としており、中小規模のM&Aには対応していない場合があります。一方、事業承継・引継ぎ支援センターは小規模案件にも対応できます。 

業種によっても必要な専門知識は異なるため、自社の業種でのM&A実績が豊富な相談先を選ぶことが望ましいです。製造業、IT業、飲食業、医療介護業など、業種ごとの特性を理解している相談先の方が、適切なアドバイスを受けられます。 

自社の目的と規模に合った専門性を持つ相談先を選ぶことで、的確なサポートを受けてM&Aを成功に導くことができます。 

ポイント2:実績と経験が豊富か

M&Aの成否は、相談先の実績と経験に大きく左右されます。相談先を選ぶ際は、M&Aの支援実績が豊富かどうかを必ず確認しましょう。 

具体的には、年間の成約件数、累計の成約実績、自社と同規模・同業種での成約事例などを確認します。ホームページに実績が掲載されている場合が多いので、事前に調べておくことをおすすめします。 

担当者の経験も重要なポイントです。M&Aアドバイザーの経験年数、過去の担当案件数、専門資格の有無などを確認しましょう。経験豊富な担当者であれば、さまざまな局面で適切な判断とアドバイスが得られます。 

初回の相談時には、自社と似た規模や業種での成約事例について質問してみることをおすすめします。具体的な事例を説明できる相談先であれば、実践的なノウハウを持っていると判断できます。 

ポイント3:料金体系が明確で適正か

M&Aにはさまざまな費用が発生するため、料金体系が明確で適正な相談先を選びましょう。費用について曖昧な説明しかしない相談先は避けるべきです。 

M&A仲介会社の費用は一般的に、相談料、着手金、中間報酬、成功報酬などで構成されます。それぞれの費用が発生するタイミングと金額を明確に説明してもらいましょう。 

成功報酬の計算方法も重要です。レーマン方式が一般的に用いられますが、何を基準に計算するのか(譲渡対価、株式価値、企業価値など)によって金額が大きく変わります。契約前に計算方法を十分に理解しておくことが大切です。 

複数の相談先から見積もりを取って比較することをおすすめします。ただし、単純に安い相談先を選ぶのではなく、提供されるサービス内容と費用のバランスを見て判断します。 

料金体系が明確で、サービス内容に見合った適正な価格設定をしている相談先を選びましょう。 

ポイント4:情報管理体制が整っているか

M&Aでは企業の機密情報を相談先に開示する必要があります。情報漏洩が発生すると、取引先や従業員との信頼関係が損なわれ、企業価値が大きく毀損する可能性があります。 

相談先を選ぶ際は、情報管理体制が厳格に整っているかを必ず確認しましょう。具体的には、秘密保持契約の締結、情報へのアクセス制限、セキュリティ対策の実施状況などを確認します。 

初回相談の段階から秘密保持契約を締結する相談先は、情報管理を重視している証拠です。過去に情報漏洩のトラブルがなかったかも、可能であれば確認しておくと安心です。 

情報管理体制が整っている相談先を選ぶことで、安心してM&Aを進める環境が整います。 

ポイント5コミュニケーションが取りやすいか 

M&Aは半年から1年以上かかる長期プロジェクトです。その間、相談先の担当者と頻繁にやり取りをすることになるため、コミュニケーションが取りやすいかどうかもポイントです。 

初回相談時の対応で、担当者の人柄や相性をある程度判断できます。質問に対して丁寧に答えてくれるか、こちらの話をしっかり聞いてくれるか、わかりやすく説明してくれるかなどを確認しましょう。 

連絡手段や対応時間も確認しておくことをおすすめします。電話、メール、オンライン会議など、複数の連絡手段が用意されていると便利です。緊急時の対応についても事前に確認しておきましょう。 

担当者との相性が良く、気軽に相談できる関係性を築ける相談先を選ぶことで、M&Aをスムーズに進めることができます。 

ポイント6:アフターフォロー体制が充実しているか 

M&Aは契約締結で終わりではありません。クロージング後の経営統合(PMI)が成功するかどうかで、M&Aの真の成果が決まります。 

相談先を選ぶ際は、クロージング後のアフターフォロー体制が充実しているかもポイントです。PMI支援、統合後の経営課題への対応、トラブル発生時のサポートなど、クロージング後もサポートしてくれる相談先を選ぶことをおすすめします。 

M&A仲介会社の中には、PMI専門のコンサルタントを配置しているところもあります。事業統合の経験が豊富な相談先であれば、統合プロセスでの課題にも適切に対応できます。 

長期的な視点でM&Aを成功させるために、アフターフォロー体制が充実している相談先を選びましょう。 

M&A相談前に準備すべきこと

M&Aの相談を有意義なものにするためには、事前の準備が欠かせません。準備不足のまま相談すると、的確なアドバイスを受けられない可能性があります。 

M&Aの目的と希望条件を明確にする 

M&A相談の前に、まずM&Aを検討する目的を明確にしましょう。事業承継、事業拡大、シナジー創出、経営資源の獲得など、目的によって取るべき戦略が変わります。 

希望条件についても優先順位をつけて整理しておくことが重要です。譲渡価格、従業員の雇用継続、取引先との関係維持、経営者の処遇など、譲れない条件と妥協できる条件を明確にしておきましょう。 

売却希望時期や買収希望時期も重要な要素です。いつまでにM&Aを完了させたいのか、スケジュール感を持っておくことで、相談先もより具体的なアドバイスができます。 

目的と希望条件が明確であれば、相談先も適切な戦略を提案しやすくなります。 

自社の財務状況を整理する

M&Aの相談では、自社の財務状況を説明する必要があります。相談前に直近3期分程度の決算書を用意しておきましょう。 

売上高、営業利益、純利益の推移、貸借対照表の内容、キャッシュフローの状況など、基本的な財務情報を把握しておくことが大切です。財務内容に特殊な事情がある場合は、その背景も説明できるようにしておきましょう。 

簿外債務や偶発債務など、決算書には表れない潜在的なリスクについても、把握している範囲で整理しておくことをおすすめします。後々デューデリジェンスで必ず調査されるため、先手を打って開示する姿勢が大切です。 

財務状況が整理されていれば、企業価値評価もスムーズに進み、より適正な評価額を算定できます。 

必要書類を準備する 

M&Aの初回相談では必ずしも詳細な資料は必要ありませんが、本格的に進める段階ではさまざまな書類が必要になります。事前にどのような書類が必要かを把握し、準備できるものから揃えておきましょう。 

必要となる書類には、定款、登記簿謄本、株主名簿、組織図、従業員名簿、就業規則、直近3期分の決算書、事業計画書、主要取引先リスト、主要契約書などがあります。 

不動産や知的財産権を保有している場合は、それらの権利関係を証明する書類も必要です。許認可が必要な事業を行っている場合は、許認可の取得状況を示す書類も用意しましょう。 

必要書類を早めに準備しておくことで、M&Aのプロセスをスムーズに進めることができます。 

基礎的な知識を身につける 

M&Aの相談を有意義なものにするためには、M&Aに関する基礎的な知識を身につけておくことが重要です。専門用語や基本的なプロセスを理解していないと、相談先の説明を十分に理解できない可能性があります。 

M&Aのスキーム(株式譲渡、事業譲渡、合併など)、企業価値評価の方法、デューデリジェンスの内容、契約の種類(秘密保持契約、基本合意書、最終契約書)など、基本的な事項については事前に学んでおきましょう。 

書籍やインターネットの情報、セミナーなどを活用して、M&Aの全体像を把握しておくことをおすすめします。基礎知識があれば、相談時により深い議論ができ、的確な判断をしやすくなります。 

ただし、専門的な細部について、不十分な知識のまま経営者が「独断」で実務的な可否を判断することは避けなければなりません。 

基礎知識を身につける真の目的は、専門家の説明を正しく咀嚼し、その提言が自社の戦略やリスク許容度に合致しているかを冷静に検証することにあります。M&Aにおける法務・財務・税務などの専門領域については、必ずプロの知見を仰ぎ、それらを判断材料として活用してください。 

最終的な意思決定の主導権は、あくまで経営者にあります。専門家からの多角的なアドバイスを統合した上で、「経営上のリスクとリターン」を総合的に俯瞰し、経営者として最終的な判断を下すというプロセスを徹底しましょう。 

M&A相談時の注意点

M&A相談を行う際には、いくつか注意すべき点があります。これらの注意点を守ることで、トラブルを避け、安心してM&Aを進めることができます。 

複数の相談先を比較検討する

M&Aの相談先を選ぶ際は、必ず複数の相談先を比較検討しましょう。最初に相談した1社だけで決めてしまうと、より適した相談先を見逃す可能性があります。 

少なくとも3社程度の相談先と面談し、提案内容やサービス内容、費用、担当者との相性などを比較することをおすすめします。比較することで、それぞれの相談先の強みや弱みが明確になります。 

比較する際は、単純に費用の安さだけで判断しないことが重要です。安かろう悪かろうでは、期待する成果が得られません。提供されるサービスの質と費用のバランスを総合的に判断しましょう。 

初回相談は多くの相談先で無料で実施しているため、積極的に活用して自社に最適な相談先を見つけることが大切です。 

ブリッジコンサルティンググループでは、6,000名超の公認会計士ネットワークを基盤に、経験豊富な税理士・社会保険労務士・弁護士らと連携したワンストップのM&Aアドバイザリーサービスを提供しています 

通常、M&Aアドバイザリーは専門分野ごとに別々の機関へ依頼することが一般的ですが、窓口が複数になると情報共有が分断され、担当者のコミュニケーションコストが増大したり、各報告書の整合性がとれなくなったりするリスクが生じます。 当社では窓口を一本化することで、買収・譲渡企業の負担を最小限に抑え、精度の高い意思決定とコストの最適化を同時に実現します。 

貴社の不安や問題を、上場・非上場を問わず豊富な支援実績を持つ当社が解決いたします。後悔しないM&A相談先を比較検討されている経営者様は、ぜひ一度当社の無料相談をご活用ください。 

秘密保持契約を必ず締結する

M&Aの相談では、自社の機密情報を開示する必要があります。情報漏洩を低減するため、秘密保持契約(NDA)を必ず締結しましょう。 

秘密保持契約は、初回相談の段階から締結することをおすすめします。具体的な財務情報や事業内容を話す前に、書面で秘密保持の約束を交わすことが重要です。 

秘密保持契約の内容も十分に確認しましょう。秘密情報の範囲、秘密保持の期間、違反時の損害賠償など、重要な条項が適切に規定されているかをチェックします。 

相談先が秘密保持契約の締結を嫌がる場合や、契約内容が不十分な場合は、その相談先の利用を再検討すべきです。情報管理を軽視する相談先は避けるべきです。 

契約内容を十分に確認する 

M&A仲介会社などと正式に契約を結ぶ際は、契約内容を十分に確認しましょう。契約書には、提供されるサービスの範囲、費用、契約期間、解約条件など、重要な事項が記載されています。 

特に費用に関する条項は詳細に確認しましょう。着手金、中間報酬、成功報酬のそれぞれの金額と支払い時期、成功報酬の計算方法、追加費用が発生する場合の条件などを明確に理解しておくことが大切です。 

専属契約条項にも注意が必要です。専属契約を結ぶと、契約期間中は他の相談先を利用できなくなります。専属契約の期間や解約条件を十分に確認しましょう。 

契約内容に不明な点や疑問がある場合は、遠慮せずに質問しましょう。理解できないまま契約を結ぶことは避けるべきです。必要であれば、弁護士に契約書のレビューを依頼することも検討しましょう。 

まとめ

M&Aを成功させるためには、適切な相談先を選ぶことが極めて重要です。M&A仲介会社、金融機関、士業、公的機関など、それぞれの相談先には独自の強みと特徴があります。 

相談前には、M&Aの目的と希望条件を明確にし、財務状況を整理し、基礎的な知識を身につけておくことが大切です。複数の相談先を比較検討し、秘密保持契約を必ず締結し、契約内容を十分に確認することも忘れないでください。 

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